リモートレシートプリンター

小売店や飲食店など、店舗経営が抱える問題の解決策としてリモートで操作できるレシートプリンターの活用が注目されています。店舗経営を巡っては、感染症対策の必要性の高まりや、キャッシュレス決済への対応が迫られています。その中で、スマホアプリを利用したテイクアウト注文サービスや、セルフレジ、モバイルオーダーなど、注文から決済までの手続をデジタル化し効率を高める仕組みが普及していますが、そのひとつとしてリモートレシートプリンターを導入する動きが広がっています。

IoTプラットフォームと連携し、データ活用も

リモートプリンターとは、プラットフォームに接続され、遠隔操作で利用できるプリンターのことです。請求書や注文、バーコードやQRコードなどを、時間や場所によって制限されることなく印刷することができます。リモートレシートプリンターは小売店や飲食店などで主にレシート印刷に活用されています。

リモートレシートプリンターは、IoT(モノのインターネット)の機能を持ったプラットフォームに接続すれば、購買データを収集し、履歴データを保存及び管理することもできます。また、データ分析、機械学習などのデータサービスを活用することも可能なので、CRM(顧客関係管理)やマーケティング戦略に活用することも可能です。

店舗経営は、感染症防止への対応や人手不足など、さまざまな経営課題を抱えています。リモートレシートプリンターをセルフプリントやマーケティングに活用することによって、人手不足への対応やコストの削減、生産性と運用効率を改善することも可能です。

さらに、リモートレシートプリンターをIoTプラットフォームと連携させることで、セルフオーダーに対応したシステムや簡易なセルフレジなどを低コストで構築することも可能なため、小中規模店舗の経営者から注目されています。

セルフレジにもレシートプリンター

例えば、セルフレジはスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売店舗を中心に急速に普及しています。商品やサービスの提供を受けた利用客が、店員を介することなく自分で商品バーコードの読み取りから精算までを行うことができます。

セルフレジ導入のメリットは、買い物が集中する時間帯の回転率を上昇させること、また、店舗側のレジ業務が軽減されるほか、レジ打ちの間違いなどを防ぐ効果も期待できます。さらに、買い物客と店員の双方にとって、感染症防止対策になります。

セルフレジには、遠隔操作も可能なレシートプリンターとIoTプラットフォームシステムを組み込むことによって、買い物客の待ち時間解消や人手不足対策、店舗運営の効率化などのメリットに加え、CRM活用によるマーケティング力の向上を実現することが可能です。

小売店だけではなく、ファストフードなどの飲食店でも、セルフレジを導入するケースが増えています。専用の自動券売機を導入するよりも低コストでシステムを整備することが可能になるからです。

オペレーションの効率化やキャッシュレス対応も

スマホなどを使ったモバイルオーダーソリューションも増加しています。特に、軽減税率への対応や感染症防止の観点から、飲食店によるテイクアウトサービスが拡大しているほか、巣ごもり需要に支えられたデリバリーの注文も増えているからです。

モバイルオーダーソリューションは、スマホアプリを利用したテイクアウト注文サービスなどと連携することにより、スマホを使って店外から商品注文や金額確認、決済などを行うことができる仕組みです。

テイクアウトを電話やFAXなどで注文を受け付ける場合は、手書きで管理するなど、店長やスタッフの業務負担が重くなります。ランチタイムなどの混雑時には、その業務負担がさらに重くなり、出来上がり時間が遅れてしまったり、注文や精算のミスなども発生しがちです。

テイクアウトの注文をデジタル化することによって、注文が入るとレシートプリンターから注文伝票が出力され、調理スタッフにとっても、確認がしやすくなります。注文する側も、商品の受け取り時間を確認できます。

一度デジタル化を導入すると、電話よりもアプリを活用するケースが増えてきます。テイクアウトに関する店舗管理がスムーズになり、テイクアウトの注文を積極的に受けられるようになり、店舗経営の改善につなげるなどの好循環も期待できます。 こうしたリモートレシートプリンターとIoTプラットフォームのシステムを導入することのメリットとして、オンライン決済やキャッシュレス決済といった決済方法の多様化にも対応しやすくなります。

現金払いだけのサービスから、オンラインやキャッシュレスなどの新たな決済に対応することで、顧客の利便性は高まります。また、印刷したレシートにクーポンを付けたり、スマホアプリとの連携などの機能拡張によって、お得なポイントキャンペーンなどを活用したマーケティング戦略も可能になります。

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