企業がソフトウェアを使用する際、社内でライセンスキーを不正に使い回しているケースがあります。こうした行為を放置していると、ソフトウェアの不正使用として摘発された場合、社会的信頼の失墜につながります。社内にソフトウェアの適正な使用を周知させ、不正な使い回しやコピーを防止するコピープロテクト対策として、パソコンのUSBポートに挿して簡単に操作できる「USBドングル」を活用するケースが増えています。

USBポートに挿して簡単操作、さまざまな用途で利用可能

USBドングルは、USBポートに挿して使う小型装置のことを言います。ドングルの種類としては、DVI(デジタル・ビジュアル・インターフェイス)やHDMI(高精細度マルチメディアインターフェース)など、テレビや録画機、ゲーム機とパソコンなどをUSBで繋ぐコネクタとしての役割や、コンピュータでデータ通信したり、スマートフォンからカーナビなどにデータを転送するための無線通信装置としての役割を果たす機能を持ったものがあります。

このほか、クラウドやウェブへのアクセスをする際のセキュリティ対策の高度化に対応し、二要素認証の要素として用いられるUSBドングルもあります。ID・パスワード認証に加えて、USBドングルが接続されたパソコンだけからアクセスを受け付ける仕組みです。二要素認証は、スマートフォンなどの端末のワンタイムパスワードによる認証などを用いるケースが多いですが、USBドングルは安価で簡単な操作で二要素認証を実現できるうえ、利用者や利用目的の制限を厳格に行えるメリットもあります。

そして、USBドングルの中で利用シーンが増えているのは、ソフトウェアの不正防止ツールとしての「プロテクトドングル」です。小型・軽量で持ち運んで使うのに便利なことと、操作が簡単なことから、多く使われるようになっています。

低コストで、高セキュリティな不正コビー防止ソリューション

プロテクトドングルの使用例としては、コンピュータを用いて設計を行う支援ソフトウェアのCADや、映像処理ソフト、数値シミュレーションなど、主に有料で販売されているソフトウェアを使うとき、USBドングルをUSBポートでパソコンに接続することで、ライセンスが付いたソフトウェアが使用可能になるものがあります。

コピープロテクトのための利用に適したUSBドングルを選ぶ時には、ユーザーのニーズに応じた機能を見極めることが重要になります。USBドングルの共通した特徴は、コスト・パフォーマンスに優れている点です。USBドングルは、ソフトウェアの起動に際して物理的な「鍵」の役割を果たし、不正使用を効果的に防止します。このため、サーバ運用が不要なことから安価に導入できるため、多くの企業に利用されています。

コピープロテクト用のUSBドングルのもう一つの共通した特徴は、操作が簡単であることです。USBドングルは、プログラム内部を一部書き換えることでライセンス認証機能を持つ装置です。プログラムの一部をUSBドングル内で実行できるようコンパイルし、USBドングル内に格納します。プログラム本体とUSBドングルが一体となってはじめてプログラムが正常に動作するようになり、USBドングルを持つ人のみがソフトウェアを利用できるようになります。

USBドングルは高度なテクノロジーを装置内に秘めながら、ユーザーは、ソフトウェアの開発に関する知識がなくても、簡単に扱える操作性を実現しています。初期設定が完了しているUSBドングルについては、ユーザーが行う操作としては、ドングルをパソコンに挿すだけです。自動でロック・ログインができるものは、ほんの少しの離席のときにも、ロックをかけ忘れることがない上、面倒なログオンの手間も必要なくなります。

オフラインでの活用に対してもコピー防止機能を提供可能

企業がネットワーク経由のアクティベーション認証を利用する場合は、サーバー運用などのコスト増加要因になってしまいます。低コストで、高セキュリティな不正コビー防止ソリューションの導入を検討したい顧客にとっても、コピープロテクションのUSBドングルは最適です。さらに、複数のプログラミング言語に対応した専用のAPIが付属されているUSBドングルの製品を選ぶと、強力な暗号化メカニズムの構築をサポートし、不正防止機能を強化することが可能になります。

このように、低コストで高セキュリティーな機能を提供できるUSBドングルは、従業員一人ひとりに所持させることで、パソコンの端末の共有化を行なっても、セキュリティを担保することが可能です。さらに、個人を識別し、それぞれのパソコンの稼働時間が把握できるため、勤怠管理への活用も可能です。

また、USBドングルを活用したセキュリティシステムは、オフラインでもユーザー認証することができるため、オンラインでSDK(ソフトウェア開発キット)を提供している企業が、オフラインで使いたい顧客にも、コピー防止のソリューションを付けて販売することが可能になります。

コピープロテクトに最適なUSBドングル「ROCKEY」




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