導入事例

お客様に聞く - 株式会社ケンユー様



株式会社ケンユーは全国のエステサロンや温浴、商業施設向けに業務用健康美容機器の製造・販売を行う企業です。今回は営業本部営業統括本部長の井澤誠様と営業担当の古橋愛唯様に、飛天ジャパンのIoTプラットフォーム「IoT Cube」/Pay BOX(以下、Pay BOX)を自社製品に採用した経緯や利用者の声をお聞きしました。

フェムテックの認知と理解を深めるため、フェムテック製品を通じて体験、学びの場を広げたい

–  ケンユーはどのような会社でしょうか?
当社は1998年に神奈川県小田原市に設立し、県内の温泉・宿泊施設向けに業務用マッサージチェアの販売からスタートしました。 現在では多くの健康増進施設様にご採用いただき、空きスペースを有効活用やお客様満足向上を目的とした課金式マッサージチェアがお客様の収益アップに大きく貢献しています。また健康機器ともう1つの主力事業として東京支店ではプロ向けの美容機器の製造販売を行っています。

今が旬の痩身機や脱毛機を取り揃え、好評を頂いておりますが、近年ではFemale(女性)とTechnology(技術)を融合したフェムテックと呼ばれる女性が抱える健康上の課題を解決する製品の開発に力を入れています。昨年7月にリリースしたフェムテックチェア「GRAN PERINE(グラン ペリネ)は、加齢による骨盤底筋群衰えだけではなく、身体の中心を支える殿筋収縮による動作と姿勢の影響に着目し、服を着たまま30分間座るだけで約3万回の筋収縮運動効果を実現する椅子型の美容機器として開発されました。

様々な業種業態、ビジネスモデルに合わせた収益への貢献

– 飛天ジャパンのPay Boxはどのように利用されていますか?

GRAN PERINEは通常の標準モデルと、Pay Boxを搭載したキャッシュレス決済対応モデルの2種類からお選びいただけます。Pay Box搭載のキャッシュレスモデルの場合、例えば24時間営業のフィットネスクラブが設置すると、スタッフの無人時間帯でも高単価な有料サービスが提供できますので、客単価の向上が期待できます。特に潜在的な悩みでもある更年期ケアはフィットネスの主力年齢層の方たちに大変喜ばれています。

特にフィットネスクラブやリラクゼーション施設内では、ロッカーに財布を預けてスマホしか持ち歩かない方が多く、普段利用しているQRコード決済ブランドで支払いができるので利用者様にもご好評いただいています。


IoTプラットフォーム/Pay BOXは人件費の抑制にも貢献

– 施設様にとってはどのようなメリットがありますか?
売上管理や料金設定をIoTプラットフォームの管理画面で簡単に確認・設定できるので、オペレーションコストの低減に繋がっているという声をいただいています。これまで主流だったコイン式機器の場合は、両替機の設置や集金の人件費コストが収益の足枷となっていました。
キャッシュレス決済対応によるセルフ化の実現は、オペレーションコストを低減させるだけではなく、利用したくても財布が無い、または両替が出来ないなどの機会ロスを減らし、お客様の利便性を向上させ、稼働率を高めることに繋がります。

偶然の出会いから意気投合

– 導入にいたるまでの経緯を教えてください
美容機器は他の産業と比べてIoT化に乗り遅れています。私たちは早い時期からカタログとARの融合や、マシンとWi-Fi接続化に取り組み、キャッシュレスシステム搭載機器の開発も模索しておりましたがなかなか実際の運用イメージにマッチした規格が見つかりませんでした。

飛天ジャパンとの出会いは、当社が加盟している一般社団法人日本コインランドリー連合会の総会後の懇親会がきっかけでした。たまたま同席されていた飛天ジャパンの営業担当者に今後の構想をお話ししたところ、大変関心をお持ち頂き、一緒に開発しましょう、と思いがけない話をいただきました。

共同開発に近い形でお互いの製品、技術をブラッシュアップ

– 飛天ジャパンの対応はいかがでしたか?
営業担当でありながら技術的な知見も高く、私たちの課題を的確に汲み取ってくださり、すぐに弊社工場の技術者と飛天ジャパンのの技術者、現地中国工場の開発責任者を交え合同チームを組成し、開発に着手しました。基本的に英語と中国語でのやり取りでしたので大変なこともありましたが、機械工学的なハード面とキャッシュレス基盤のソフト面の連携が必要な課題も飛天ジャパンの中国人技術者が頻繁に現地のエンジニアと連絡を取りながら進めることが出来ましたので、初期の技術的な課題やハードルは割とスムーズに解決出来ました。

そして専用基盤の開発に目途が付いた事で実際のマシンのプログラム開発に移行し、本生産に向けて何度か中国工場へ出向き、2023年7月に業界初となるQRコード決済対応のフェムテックチェア「GRAN PERINEを発売する事が出来ました。

美容業界のDXを牽引したい

– 今後の抱負について教えてください
まずはGRAN PERINEを多くの方に体感して頂き、骨盤底筋ケアの重要性と市場背景にあるフェムテックを知って頂き、正しく理解して頂くこと。 そして社会の変化を取り込みながら、新しい製品開発をいち早く着手することです。美容機器業界はAIやIoT化が進んでいないこともあり、DXへの取り組みが遅れています。

正に女性の健康課題を解決するテクノロジーを意味するフェムテックは、DX化の波に乗り、今後ますます他業界からの参入が増えてくると思われます。DXの目的は、ただアナログだったものをデジタル化する事ではなく、新たなビジネスを収益につなげ企業競争力を高めることにあります。今後も同様にキャッシュレス機能付きマシンの開発やアナログ機器のIoT化など量的変化を進めた上で、DXがもたらす質的変化によって健康美容業界のビジネスモデルに変革をもたらせたいと思います。



井澤様、古橋様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

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※ 取材日時 2024年3月