導入事例
お客様に聞く - 一般財団法人建設物価調査会
一般財団法人建設物価調査会では、有料会員制のWebサイト「Web建設物価」のユーザーの認証キーとして飛天ジャパンのドライバレスUSBトークン「ePass1000ND」を採用しました。飛天ジャパンのUSBトークンを採用した理由について詳しく聞きました。
建設物価調査会の主な業態
― 建設物価調査会の主な業態を教えてください。
建設物価調査会は、土木・建築等の建設工事に関する工事費や、これらに要する資材の価格・労務費の実態を調査して、書籍やWebサイトで情報を発信している公益法人です。
調査報告は、「建設物価」(月刊)、「土木コスト情報」(季刊)などの書籍や、有料会員制Webサイト「Web建設物価」でご覧いただくことができます。公共事業を発注する官公庁などから、受注する側の民間企業まで、建設にかかわる分野の方に幅広くご利用いただいています。
創立は1947年、現在の所在地は東京都中央区で全国10か所に事業所があります。
― 小町さんの仕事内容を教えてください。
私は情報システム部に属していて、主にWebシステムの企画・開発に携わっています。
利用している飛天ジャパンの商品
― 利用している飛天ジャパンの商品を教えてください。
建設物価調査会では、飛天ジャパンのePass1000NDというドライバレスUSBトークンを数千本購入し、認証の仕組みを、飛天ジャパン提供の開発キットを用いて独自に開発しました。それを「Web建設物価」のユーザーに配布し、認証キーとして利用しています。
ユーザーはパソコンに配布されたUSBトークンをさし、IDとパスワードを入力するだけで、「Web建設物価」上の情報を閲覧することができます。逆にこのUSBトークンがなければ、サイトにアクセスすることはできません。
― 飛天ジャパンのUSBトークンはいつごろから利用していますか。
建設物価調査会の「Web建設物価」を開設した2007年4月です。その開発に入る2006年の春頃に飛天ジャパンのUSBトークン「ePass1000ND」の購入を決めました。
なぜ認証システムをUSBトークンにしたのか
― 「Web建設物価」の認証システムをUSBトークンに決めたのはなぜですか。
会員制のWebサイトでIDとパスワードの入力を求められるのはよくありますが、「Web建設物価」に掲載されている情報には価値がありますし、「Web建設物価」にユーザー独自の情報を登録することもできます。ですからIDとパスワードの入力だけだと不特定多数の人に閲覧されてしまう恐れがあります。そこで物理的な認証システムが必要でした。
認証システムにはUSBトークン以外にICカード、指紋認証システム、マトリックス表、電子証明書が考えられましたが、それぞれUSBトークンに比べると以下のように不利な点がありました。
■ICカード 指紋認証システム
ICカードにはカードリーダーが、指紋認証システムにも外付け機器が必要になります。今ではパソコンに内蔵されているものも多くあるようですが、認証システムを検討した2006年当時はほとんどが外付けでした。外付けのものが必要だということはそのぶん費用もかさんでしまいます。USBトークンには外付け機器を購入の必要がありません。
■マトリックス表
マトリックス表は記載されている記号の情報を簡単に漏らしてしまうことができます。たとえばパソコンの画面を見ながらマトリックス表を持っている人に記号を電話で聞くことも可能でしょう。それでは認証システムとして甘いと考えました。USBトークンは物理的な認証システムなので、不正利用を防ぐことができます。
■電子証明書
電子証明書はユーザーにインストールしてもらう必要があります。これはパソコン自体に詳しくないユーザーにとってはハードルが高くなります。また企業によってはセキュリティの面から会社のパソコンへの電子証明書のインストールに煩雑な手続きが必要になることも考えられます。USBトークンはドライバのインストールも不要で、そのままパソコンに差し込むだけで良いのでユーザーにとっても使い勝手が簡単です。
以上のように考えた結果、認証システムにUSBトークンを採用することを決定しました。
比較検討の結果、飛天ジャパンの製品を採用
― 飛天ジャパンを知ったきっかけは何ですか。
USBトークンを扱っている会社をインターネットの検索を使って調べました。そして情報セキュリティエキスポという展示会に足を運び、いくつか検討しました。
― 飛天ジャパン以外に何社と比較検討したのですか。
飛天ジャパン以外に2社と比較検討し、最終的に飛天ジャパンの製品に決定しました。
― 飛天ジャパンの製品に決めた理由を教えてください。
飛天ジャパンの製品は品質、価格、対応の柔軟性とサポートの3点で優れていました。
■品質
比較検討した1社は技術情報に不足がありました。それで品質面に不安があるということで早々に候補の対象から外しました。
■価格
残るもう1社と飛天ジャパンの製品では、価格差がありました。飛天ジャパンのほうがUSBトークン1本あたり1,000円以上安かったのです。これは大きな決め手になりました。もう1社はセキュリティが強固であることを盛んにアピールしていましたが、検討してみると飛天ジャパンの製品も遜色ないことがわかりました。
■対応の柔軟性と迅速なサポート
USBトークンの導入を検討した2006年当時、パソコンのブラウザにネットスケープを使っている方がいました。ネットスケープでは認証がうまくいかないことがあります。飛天ジャパンはネットスケープにも対応できるようカスタマイズを手伝ってくれました。その迅速なサポート対応は、とても安心できました。対応の柔軟性とサポートも、採用の決め手のひとつになりました。
飛天ジャパンのUSBトークン導入の効果
― 「Web建設物価」を開設されて4年あまりになりますが、USBトークンの導入効果はいかがですか。
飛天ジャパンのUSBトークンにはとても満足しています。今のところユーザーから「使い方がわからない」「難しい」「使っているうちに故障した」といったクレームはありません。また「Web建設物価」が不正に閲覧されているようだとの報告もありませんから、ユーザーを物理的な認証キーとして管理する機能にも問題ないと考えています。
建設物価調査会の今後の展望
― 建設物価調査会の今後の展望を教えてください。
「Web建設物価」の会員数は、月刊「建設物価」の購入者数と比べるとまだ少ないですが、できる限り「Web建設物価」に移行させたいと考えています。今年は特に移行に力を入れて行こうと、飛天ジャパンからUSBトークンをさらに数千本追加購入することも決定しました。
毎月更新される情報はかなりの量に上るので、月刊「建設物価」は電話帳ほどの厚みと大きさがあります。「Web建設物価」への移行が進めば、紙、印刷、編集のコストも削減できると同時に環境問題にも寄与することができます。
「Web建設物価」の情報量のほうが月刊「建設物価」に掲載されているものよりも1.5倍ほど多く、また情報の更新も早いので、ユーザーにとっても利便性はあると思います。なるべく早期に目標を達成したいと思っています。
飛天ジャパンへの要望
― 飛天ジャパンへの要望があれば教えてください。
建設物価調査会の「Web建設物価」の会員数が増えれば、今後も飛天ジャパンのUSBトークンの追加購入が増えます。飛天ジャパンにはさらなるコスト削減の為に頑張って欲しいですね。
それから「USBトークン」の普及に尽力していただき、一般的な認知度が高まると良いなと思っています。USBトークンの形状はUSBメモリとほとんど変わりません。セキュリティ面からUSBメモリの使用を禁じている企業もあるため、USBトークンにはメモリ機能は一切なく、情報漏えいの懸念は不要だという説明が必要になる場面が多々あります。USBトークンが世の中に普及することでより利用しやすい環境になればと思っています。
導入製品詳細
※ 一般財団法人 建設物価調査会のWebサイト
※ 取材日時 2011年2月