導入事例
お客様に聞く - 株式会社スワローインキュベート様
代表取締役社長 大野 寿和 氏(写真)
株式会社スワローインキュベート 代表取締役社長 大野 寿和氏に、USBドングル「ROCKEY」導入の経緯と効果について詳しくお聞きしました。
株式会社スワローインキュベートは、2013年に筑波に設立したIT・IoT分野の先端テクノロジーベンチャーです。「日本のR&Dと世界の未来をつなぐ」事業理念のもと、国内の有益な特許技術(研究成果)の発掘、特許技術の追加研究および実用化開発(SDK・API化開発)、特定の技術を必要とする企業様への技術提供を行っています。
スワローインキュベートの事業概要
― スワローインキュベートの事業概要について教えてください。
「テクノロジーをインキュベート(卵を孵化)する」会社として事業運営しています。使われなくなったテクノロジーや世に埋もれてしまったテクノロジーをインキュベートし、企業や技術者のイノベーションを支援しております。
具体的にはパナソニック株式会社と技術提携し、「音声による感情認識技術」と「虹彩認証技術」の研究開発およびSDK(Software Development Kit)/API(Application Programming Interface)の提供を中心に活動しています。
― 「スワローインキュベート」という社名の背景を教えてください。
現在のビジネス環境は、言うまでもなく「スピード」が求められています。私は鳥が好きで、「ツバメ(スワロー)」というスピード感と、当社の企業理念でもある「ヒトの可能性をインキュベート(孵化)する」を組み合わせて社名にしました。余談ですが、ツバメは卵の5割がカラスなどの外敵にやられてしまうこともあり、インキュベートに熱心な鳥といったことも由来です。
スワローインキュベートが入居している「つくば研究支援センター」
― 「音声による感情認識技術」と「虹彩認証技術」を事業に採用した理由を教えてください。
当社のパートナーであるパナソニック社との出会いがきっかけです。私が知的財産の勉強会に参加した際に、パナソニック社の知財部門の方も参加されていました。パナソニック社では、音声による感情認識および虹彩認証の特許を持っていましたが、特許は単なる情報でしかないため、それをどう実用化するかといった難しさがあります。
例えば虹彩認証について、パナソニック社では2006,7年までは、社内で研究開発を行っていました。虹彩認証には500万画素が必要なのですが、当時市場に普及していたカメラはまだまだ低解像度の性能でした。そのため、限られたお客様向けのみの市場環境でした。
現在はカメラの性能も上がり、値段も安くなりました。またオープンソースライブラリーで 画像処理を行いやすくなった環境もあります。日本では、虹彩認証のプレーヤーが全然いませんが、海外は少しずつプレーヤーが出始めています。このような状況ですので、今がチャンスを考え、虹彩認証技術を選定しました。
― スワローインキュベートでは、具体的にどのような「虹彩認証技術」を提供されているのでしょうか。
当社が提供している技術の話の前に、「虹彩認証」とはどのようなものかをご説明します。
虹彩認証とは人間の瞳にある「虹彩」を用いて本人認証を行う「生体認証(バイオメトリクス)」技術のひとつです。
「虹彩模様」は、指紋と同じように人それぞれ異なります。身体の一部であるにも関わらず遺伝的な影響がほとんどなく、同一人物の左右でも、一卵性双生児であっても異なります。また、顔や指紋と違って生後2年経過後、つまり満2歳以降は一生「経年変化しない」ことも大きな特徴と言えます。
これらの特性を活用し、「虹彩」を用いて本人認証を行う生体認証技術「虹彩認証」が誕生しました。
「虹彩認証技術」は、セキュリティの高さを表す指標である「FAR(他人受入率)」が最も低い、つまり「最もセキュアな生体認証技術」であると言われています。
先述した生体認証技術の中では、「虹彩認証」と「静脈認証」は経年変化しない強みがあり、「虹彩認証」と「顔認証」はタッチレス(非接触)という利点があります。 また、価格や導入コストを重視するケースでは「指紋認証」が採用されることが多いです。
「虹彩認証」は、長期に渡る利用を想定しているケースや、タッチレスの利点を活かせる利用シーンにおいて、導入を検討すべき「生体認証技術」と言えるでしょう。
(出典元)株式会社スワローインキュベート Webサイト
https://iris.pas-ta.io/about/
当社ではお客様が「虹彩認証」を活用しやすいよう「虹彩認証SDK(Software Development Kit)」を提供しております。「SDK」とは開発キットのことです。様々なエンジンやアプリケーション等に、当社の「虹彩認証SDK」を組み込んで製品開発をしていただくことが可能です。
虹彩認証の活用例として、入退室管理といったことがあります。特に医療や建設など、手が使えないケースや、衛生環境が求められるといったケースに、虹彩認証は有用です。
(出典元)株式会社スワローインキュベート Webサイト
https://iris.pas-ta.io/sdk/
「テクノロジーをインキュベート(卵を孵化)する」会社として事業運営しています。使われなくなったテクノロジーや世に埋もれてしまったテクノロジーをインキュベートし、企業や技術者のイノベーションを支援しております。
具体的にはパナソニック株式会社と技術提携し、「音声による感情認識技術」と「虹彩認証技術」の研究開発およびSDK(Software Development Kit)/API(Application Programming Interface)の提供を中心に活動しています。
― 「スワローインキュベート」という社名の背景を教えてください。
現在のビジネス環境は、言うまでもなく「スピード」が求められています。私は鳥が好きで、「ツバメ(スワロー)」というスピード感と、当社の企業理念でもある「ヒトの可能性をインキュベート(孵化)する」を組み合わせて社名にしました。余談ですが、ツバメは卵の5割がカラスなどの外敵にやられてしまうこともあり、インキュベートに熱心な鳥といったことも由来です。
スワローインキュベートが入居している「つくば研究支援センター」
― 「音声による感情認識技術」と「虹彩認証技術」を事業に採用した理由を教えてください。
当社のパートナーであるパナソニック社との出会いがきっかけです。私が知的財産の勉強会に参加した際に、パナソニック社の知財部門の方も参加されていました。パナソニック社では、音声による感情認識および虹彩認証の特許を持っていましたが、特許は単なる情報でしかないため、それをどう実用化するかといった難しさがあります。
例えば虹彩認証について、パナソニック社では2006,7年までは、社内で研究開発を行っていました。虹彩認証には500万画素が必要なのですが、当時市場に普及していたカメラはまだまだ低解像度の性能でした。そのため、限られたお客様向けのみの市場環境でした。
現在はカメラの性能も上がり、値段も安くなりました。またオープンソースライブラリーで 画像処理を行いやすくなった環境もあります。日本では、虹彩認証のプレーヤーが全然いませんが、海外は少しずつプレーヤーが出始めています。このような状況ですので、今がチャンスを考え、虹彩認証技術を選定しました。
― スワローインキュベートでは、具体的にどのような「虹彩認証技術」を提供されているのでしょうか。
当社が提供している技術の話の前に、「虹彩認証」とはどのようなものかをご説明します。
虹彩認証とは人間の瞳にある「虹彩」を用いて本人認証を行う「生体認証(バイオメトリクス)」技術のひとつです。
「虹彩模様」は、指紋と同じように人それぞれ異なります。身体の一部であるにも関わらず遺伝的な影響がほとんどなく、同一人物の左右でも、一卵性双生児であっても異なります。また、顔や指紋と違って生後2年経過後、つまり満2歳以降は一生「経年変化しない」ことも大きな特徴と言えます。
これらの特性を活用し、「虹彩」を用いて本人認証を行う生体認証技術「虹彩認証」が誕生しました。
「虹彩認証技術」は、セキュリティの高さを表す指標である「FAR(他人受入率)」が最も低い、つまり「最もセキュアな生体認証技術」であると言われています。
先述した生体認証技術の中では、「虹彩認証」と「静脈認証」は経年変化しない強みがあり、「虹彩認証」と「顔認証」はタッチレス(非接触)という利点があります。 また、価格や導入コストを重視するケースでは「指紋認証」が採用されることが多いです。
「虹彩認証」は、長期に渡る利用を想定しているケースや、タッチレスの利点を活かせる利用シーンにおいて、導入を検討すべき「生体認証技術」と言えるでしょう。
(出典元)株式会社スワローインキュベート Webサイト
https://iris.pas-ta.io/about/
当社ではお客様が「虹彩認証」を活用しやすいよう「虹彩認証SDK(Software Development Kit)」を提供しております。「SDK」とは開発キットのことです。様々なエンジンやアプリケーション等に、当社の「虹彩認証SDK」を組み込んで製品開発をしていただくことが可能です。
虹彩認証の活用例として、入退室管理といったことがあります。特に医療や建設など、手が使えないケースや、衛生環境が求められるといったケースに、虹彩認証は有用です。
(出典元)株式会社スワローインキュベート Webサイト
https://iris.pas-ta.io/sdk/
なぜ、USBドングル「ROCKEY」を選定したのか
― 現在利用している飛天ジャパンの製品を教えてください。
株式会社スワローインキュベート
代表取締役社長 大野 寿和 氏
USBドングル「ROCKEY」を購入し、当社開発のSDKに組み込んで利用しております。SDKのコンパイルの際にドングルと同じIDにすることで、不正利用の抑止につなげています。
― ROCKEY購入のきっかけについて教えてください。当社が提供している感情認識・虹彩認証技術は、当初は当社がホストしているクラウド上でAPIとして提供しておりました。しかし、セキュリティの観点で、クラウドに音声や虹彩のデータを送れないというお客様もいらっしゃいました。オンラインの利用ができないお客様向けには、オフラインでSDKによる提供がよいとなり、SDKを開発しました。
しかしSDKをそのまま提供してしまうと、ソフトウェアの不正コピーやライセンスの不正使用といった懸念があります。それを防ぐためには、プロテクトをかける必要があります。
プロテクトをかけるために、「USBドングル」というものを以前に聞いた覚えがあったので、ネットで検索して調査しました。いくつかのサイトを閲覧したのですが、私が望むUSBドングルではありませんでした。その中で、「おっ、これだ」という感触を得たのが、飛天ジャパンの「ROCKEY」でした。
WebサイトのROCKEYの説明が充実して、私が納得したこともあり、他社と比較することなく、すぐに評価キットを申込みました。
― 飛天ジャパンの担当者の対応はいかがでしたでしょうか。
営業担当者からすぐに連絡をいただき、当社が求めているスピード感で、てきぱきと対応いただきました。当社からの質問も、技術サポートの方に、非常に丁寧な対応をいただきました。ROCKEYの細かい点について、北京の本社に確認いただき、大変感謝しております。
― 評価キットはどのように使われたのでしょうか。また評価期間を教えてください。
当社のSDKに、ROCKEYのプログラムをダイレクトに組み込みました。組み込み作業は私が数日で行い、その後1週間、実証実験を行い、ROCKEY2で問題ないとの結論を出しました。
ROCKEYの導入により販路が倍増
― ROCKEYの導入効果はいかがでしょうか。当社の技術をオンラインでお使いいただけない、オフラインのお客様へ販売を行えるようになったことが非常に大きい効果です。オンラインとオフラインのお客様が半々なので、お客様倍増の効果です。
― ROCKEYはどのようなお客様に向いた製品でしょうか。
SDKを販売する企業には、非常に適した製品です。オンラインでつなげないというお客様がまだまだが多いので、SDKをオフラインで提供する際は、ROCKEYの利用をお勧めします。
今後の展開について
― 今後の展開および飛天ジャパンへの期待をお聞かせください。
スワローインキュベートでは、パナソニックや本田技研工業を始め、様々な知的財産の活用支援を推進しています。今後、活用されていない特許などの仕入れを増やし、世に必要な技術としてより一層インキュベートを加速していきます。
飛天ジャパンへの期待は、USBドングルの小型化です。モノ自体が小型化しているため、それに付属するUSBドングルも小型化が望まれます。また昨今の流れから、USBポート自体もなくなってくるので、USBでない形状で認証できるようになるとよいですね。今後の飛天ジャパンが提供する製品を楽しみにしています。
スワローインキュベートでは、パナソニックや本田技研工業を始め、様々な知的財産の活用支援を推進しています。今後、活用されていない特許などの仕入れを増やし、世に必要な技術としてより一層インキュベートを加速していきます。
飛天ジャパンへの期待は、USBドングルの小型化です。モノ自体が小型化しているため、それに付属するUSBドングルも小型化が望まれます。また昨今の流れから、USBポート自体もなくなってくるので、USBでない形状で認証できるようになるとよいですね。今後の飛天ジャパンが提供する製品を楽しみにしています。
導入製品詳細
株式会社スワローインキュベートのホームページ
※ 取材日時 2019年2月 ※ 取材・執筆:カスタマワイズ