コンピュータやセキュリティに関する高度な知識や技術を善良な目的のために利用する「ホワイトハッカー」という職業を耳にしたことはありませんか?小説やドラマで存在は知っていても、一体はどのような職業で、仕事内容やスキルまではなかなか想像できません。今回は情報セキュリティ対策におけるホワイトハッカーの役割を解説します。



<トピックス>
1.ホワイトハッカーって何?
2.ホワイトハッカーの仕事
3.ホワイトハッカーの重要性
4.まとめ

1.ホワイトハッカーって何?
ハッカーと聞くと他人のコンピュータへ不正にアクセスする人を思い浮かべがちですが、本来「ハッカー」という言葉には悪意は含まれておりません。悪意を持ってシステムを攻撃する「ブラックハッカー」と区別して、善意ある活動をするハッカーは近年では「ホワイトハッカー」と呼ばれています。彼らはサイバーセキュリティの専門家であり、企業や組織が持つ情報システムやネットワークの脆弱性をいち早く発見し、ブラックハッカーからサイバー攻撃を受ける前に修復する仕事を担当しています。

2.ホワイトハッカーの仕事
ホワイトハッカーは、企業や官公庁に雇われ、サイバーセキュリティの強化を図る仕事に従事します。彼らは自らの技術と知識を駆使して、潜在的な脆弱性を探し、それに対する対策を提案します。具体的な仕事内容としては、以下のような活動が挙げられます。

  • ペネトレーションテスト
  • 企業のシステムやネットワークに対して、実際の攻撃を模倣してテストを行います。これによって潜在的な脆弱性を特定し、修復策を提案します。

  • 脆弱性診断と対策提案
  • システムやアプリケーションのコードを解析し、潜在的な脆弱性を発見します。また、新しいセキュリティ対策やポリシーの導入を提案します。

  • セキュリティ教育とトレーニング
  • ユーザーや従業員に対してセキュリティに関する教育やトレーニングを行い、セキュリティ意識を高める役割も担います。
ホワイトハッカーは企業と雇用契約を結んで働く場合もありますが、セキュリティ会社やコンサルティング企業に所属して、外部から依頼を受けることもあります。

3.ホワイトハッカーの重要性
最近ではネットワーク通信技術が広く普及し、サイバー攻撃の標的が拡大しています。 2023年7月にはランサムウェア攻撃によって名古屋港内全てのコンテナターミナル内で運用している名古屋港統一ターミナルシステムに障害が発生しました。直後にブラックハッカーから脅迫文が送られ、業務が約2日間停止してしまいました。

報告書によると、リモート接続機器の脆弱性が確認されており、そこから不正なアクセスを受けたとされています。 ランサムウェアをはじめサイバー攻撃の件数は年々増加傾向にあり、被害組織の規模は従業員500名以下の中小・中堅企業が多くを占めています。
ホワイトハッカーは、それらの被害を防ぐためシステム内部に潜む脆弱性を特定し、それを攻撃者が悪用する前に修復する役割を果たします。彼らは倫理的な枠組み内でハッキング技術を駆使し、企業や組織が保有する大切なデータを守る使命を担っています。その活動は常に新たな脅威に対応しながら進化しており、情報セキュリティの基盤を堅固にするために不可欠な存在と言えるでしょう。

4.まとめ
ホワイトハッカーは、現代のデジタル社会において企業や組織のサイバーセキュリティを守る重要な存在です。彼らの専門知識と技術によって、サイバー攻撃からの脅威を最小限に抑え、安全なオンライン環境を築くことが可能となります。サイバーセキュリティの進化とともに、ホワイトハッカーの役割もますます重要性を増していくことでしょう。





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