【代表インタビュー】セキュリティ技術を土台にお客様の期待に応える

飛天ジャパンの代表に創業時のエピソードや社員の雰囲気、これからの展望についてお聞きしました。
なぜ飛天ジャパンは次々に新しい技術を世の中に提供できるのでしょうか？

名前　李戦海さん
役職　代表取締役

Q: 創業までのお話をお聞かせください
私は中国の北京で生まれ育ちました。子どもの頃に日本に留学していた親戚が日本製のカメラやゲーム機を見せてくれたことがきっかけで、日本製品に興味を持ちました。特にSONYのウォークマンを初めて見た時は、その洗練した美しさと機能に感動したことを、今でもはっきりと覚えています。

その時から将来は日本でものづくりをしたいと思っていました。エンジニアを志していたので、北京交通大学コンピュータサイエンス学科を専攻、卒業後は大学内の自動化システム研究所にてソフトウェア開発の研究に明け暮れました。そして1995年に来日し電機メーカーに就職しました。日本語はまだカタコトでしたが、コンピューターシステムエンジニアの仕事では日本語よりもコンピュータ言語（C言語）の方が重要でしたので、言葉で苦労をした記憶はあまりありません。その後日本のオフショア開発を行う会社に転職をして、ブリッジSEとして日本と中国を行き来する多忙な生活を過ごしました。ここでの経験が技術的にも精神的にも今の私を支えていると思います。

Q: どのような経緯で創業されたのでしょうか？
大学の同級生で中国飛天誠信科技有限公司（Feitian Technologies社）の創設者から「一緒にいいものを作ろう」と誘われ、当時中国飛天が日本市場への参入を検討していたことあり、飛天ジャパン有限会社を2004年に設立しました。

創業時は34歳で経営の知識は全くありませんでしたが、技術者としてお客様のニーズを考え、まだ世の中にないものを作り出したい、そんな想いで起業しました。開発元はFeitian Technologies社ですが、中国で製造した製品をそのまま日本で販売することはできません。日本向けにプログラムやOSの変更、マニュアルの作成、お客様のシステムに組み込みできるようにAPIをカスタマイズするなど、やらなければならないことは沢山あります。

Q: 創業期に思い出に残っていることは何でしょうか？
まだレンタルオフィスに入居していて、技術者が肩を寄せ合って開発をしていた頃の話です。ロングセラー商品となるWeb認証システム「SecureVisit」を開発しました。既存のWebサーバーを改変せずにUSBキーまたはワンタイムパスワードを活用した二要素認証強化ソリューション製品です。当時はまだ珍しい技術で、日本の大手企業が販売していたどの商品よりも低価格かつ高品質だった自負があります。
この時に子どもの頃、ウォークマンを初めて見た「ものづくりで感動させたい」という想いが初めて叶ったと思いました。

Q: 今ではセキュリティ分野にとどまらず、IoT分野にも事業を広げていらっしゃいます。その時の社員の皆さんのお気持ちはいかがだったのでしょうか？
当時の飛天ジャパンはセキュリティ技術者の集まりでした。技術部門の統括でもある私がIoT事業に進出すると決めた際には、誰も反対する人はいませんでした。むしろ「セキュリティ技術を土台に面白いソリューションを考えよう」と、ワクワク感や挑戦の気持ちが高まっていたように思います。
技術者に限らず、飛天ジャパンの社員は素直でお互いを信頼して仕事をしています。日本のお客様のニーズを真摯に受け止め、「どうすればもっと良いものになるのか」を営業と技術者が常に一体になって考えています。それをFeitian Technologies社に丁寧にフィードバックするので日本での信頼も上がり、より良いものが作れるというサイクルに繋がっています。

Q: これから飛天ジャパンが成長するためにどんなことが必要でしょうか？
市場に求められているセキュリティ技術を基盤としたIoT事業をさらに発展させたいと考えています。例えば既存機器をオンライン＆キャッシュレス対応にするIoTプラットフォーム「Pay BOX」は、エンドツーエンド暗号化などの技術が活用されています。セキュリティ重視のシステムではありますが、管理も手軽で小規模事業者でも導入できるサービスとして提供しています。
そのようなお客様のニーズに応え続けた先に、上場が見えてくると思います。現在はIPO準備期間として組織制度の改定や人材開発に投資を行って、成長を促しています。