アミューズメント事業者にもプラスなキャッシュレス

ゲームセンターなどのアミューズメント施設におけるキャッシュレス決済の普及が進んでいます。すでにアミューズメント施設に導入されている交通系電子マネーや独自電子マネーシステムに加え、アーケードゲームと呼ばれる業務用ゲーム機に後付けする形で、QRコード決済の機能を搭載する動きが本格化しています。

政府のキャッシュレス推進、コロナ禍で加速

日本では、政府がキャンペーンの実施を通して後押ししたキャッシュレス決済の推進により、消費者のキャッシュレス決済の習慣が定着しつつあります。しかし、アミューズメント施設や駐車場の料金支払い、コインランドリーなど自動精算機の分野でのキャッシュレス決済の普及はこれから本格化する状況です。

消費者のキャッシュレス決済の浸透と、アミューズメント施設のキャッシュレスシステム導入の遅れというギャップが広がり、小銭を持ち歩かない人たちが業務用ゲームで遊ぶための手間を嫌がり、販売機会の逸失をもたらしています。

さらに、新型コロナウイルスの感染拡大によって広まっている「新しい行動様式」は、人々がコインを握りしめて買い物するよりも、非接触のキャッシュレス決済を好む傾向を一段と強めています。

クレジットカードとの紐づけでチャージの必要なし

これまでは、交通系電子マネーなどのプリペイド型電子マネーを導入しているアミューズメント施設はありますが、チャージの手間が必要であるので遊具施設では不向きでした。

そこで、クレジットカードに紐づけできるQRコード決済の導入を検討する施設運営者が増えているようです。QRコード決済のシステムは、既存の業務用ゲーム機に後付けすることが可能で、現金決済や電子マネーとの併用も可能です。

すでに、クレーンゲームやカプセルトイなどの業務用ゲーム機器を中心にQRコード決済機能を搭載するための実証実験は行われています。ゲーム利用者は、端末の液晶画面で利用したい決済手段を選び、その後表示されるQRコードを各アプリで読み取る仕組みです。

「Alipay」や「Wechatpay」などアジアで普及が進んでいるQRコードのほか、「PayPay」や「LinePay」「楽天Pay」「d払い」などの国内のQRコード決済も利用できるなどさまざまなキャッシュレス決済に対応できるシステムが広がりそうです。

料金設定の柔軟化、省力化…施設事業者にもプラス

アミューズメント施設事業者にとっても、キャッシュレス決済対応の業務用ゲーム機の普及が経営環境の改善に働くことが期待されています。第一のメリットは、キャッシュレス社会への柔軟な対応を図り、ゲーム利用者の利便性の向上が実現でき、収益の拡大が期待できることです。

また、これまでのゲーム機はコインでの支払いが前提になっているため、1ゲーム「100円」など料金設定に制限がありました。アミューズメント施設のキャッシュレス決済化が進めば、柔軟な料金設定が可能になるうえ、消費税の適正転稼の促進も期待できます。

アミューズメント施設でも人手不足が深刻化しています。キャッシュレス化は、売上金、おつりの管理などのレジ締め業務の軽減や、マンパワーの省力化が可能になります。また、POS連動システムの導入などによって施設売上げ管理体制を強化することもできます。QRコード決済であれば、比較的低コストでの導入が可能になり、売上管理やマーケティングへの利用などもできます。

中国では、アミューズメント施設だけでなく、自動精算機全般でキャッシュレス決済のシステム導入が広く普及しており、アフター・コロナでインバウンド(訪日外国人旅行者)の需要が回復するタイミングをにらみ、アミューズメント施設のQRコード対応の準備が本格化しそうです。


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