EV充電スタンドは、公共施設のほか、カーディーラーやコンビニエンスストア、スーパーマーケットなどに設置されています。そのほか、高速道路のサービスエリアや幹線道路沿いでも充電スタンドの整備が広がってきました。充電スポット数は2022年3月末で21,000か所を超えているとみられ、年々減少を続けているガソリンスタンド数の6割以上にのぼります。
今後、電気自動車の普及が進み、インフラ網が拡充すれば、さまざまな企業がEV充電ビジネスに参入し、料金プランや決済方法のバリエーションが増えることが予想されています。

EV充電スタンド

電力会社や自動車メーカーなどの大手企業が先導

EV充電スタンドの利用料金は、各事業者のサービスによって異なります。例えば、東京電力ホールディングスや中部電力、トヨタ自動車やホンダなどの国内大手企業が出資しているe-Mobility Power(イーモビリティパワー)の充電サービスの場合、急速充電プラン、普通充電プラン、急速・普通併用プランの3つのプランごとに充電料金が設定されています。

3プランとも、登録手数料1,540円(初回のみ)を支払う必要があります。急速充電器のみ使える急速充電プランは、月会費は1か月あたり4,180円、都度利用料金は1分あたり16.50円。普通充電器のみ使える普通充電プランは月会費が1か月あたり1,540円、都度利用料金が1分当たり2.75円。急速充電器と普通充電器の両方が使える急速・普通併用プランは、月会費が1か月あたり4,620円、都度利用料金は急速充電器が1分あたり16.50円、普通充電器が1分あたり2.75円となっています(料金は税込み、2022年8月31日現在)。

充電時間は車種によって差がありますが、急速充電の場合は5分間で40km程度の走行が可能だと言われています。例えば、日産自動車のホームページによると、電気自動車「リーフ」では、60kwhバッテリー搭載車の場合、一充電走行距離はWLTCモード(より実際の走行環境に合わせた国際的な試験方法)で450km、JC08モード(日本独自の試験方法)で550km。急速充電時間は約60分。40kwhバッテリー搭載車の場合、一充電走行距離はWLTCモードで322km、JC08モードで400km。急速充電時間は約40分などとなっています。

一方で、家庭で充電した場合の電気料金は、契約している電力会社やその料金プランによって異なります。電力使用量によって段階的に電気料金を設定している場合で、1kwhで20円から30円程度とされています。そのため、日産リーフの40kwhバッテリー搭載車の場合で、WLTCモードで322km走行するために必要な充電には、800円から1,200円程度になる計算です。

電気自動車の充電は長距離ユーザーほどお得感増す

EV充電スタンドの利用料金をガソリンスタンドでの給油の際の料金と比較します。レギュラーガソリンの料金が1リットルあたり160円とし、1年間で1万km走る場合を想定します。ガソリン車の重量や燃費性能によって、一概には比較できませんが、1リットルあたり30kmの燃費性能を持つガソリン車の年間のガソリン量は300リットルで、ガソリン料金は48,000円になります。

一方、1kwhあたり8.05kmの性能を持つ電気自動車の場合、急速充電プランの契約者の充電時間は約1,242分となり、都度利用の充電料金を1分あたり16.50円で計算すると20,493円となり、ガソリン料金より割安です。ただ、急速充電プランの月会費4,180円の12か月分(50,160円)が上乗せされ、合計で70,653円となります。

年間走行距離が1万kmの場合は、ガソリン車のほうがお得になりました。ただ、電気自動車の月会費は固定の場合、年間で長距離を走るヘビーユーザーにとっては、都度利用料金の安い電気自動車のほうが、コスパが良くなる傾向にあります。

例えば、年間走行距離が2万kmの場合で再計算します。ガソリン車のレギュラーガソリン料金は600リットル×160円=96,000円となります。これに対し、電気自動車の都度利用充電料金は約2,484分×16.50円=40,986円となります。これに、月額固定費の50,160円を足すと、合計91,146円となり、電気自動車のほうが割安になります。また、電気自動車は家庭に充電設備を設置すれば、家庭での充電と外出先での充電スタンドでの充電を併用することで、年間の利用料金をさらに下げることができるはずです。

市場拡大にらみ、キャッシュレスなど異業種が参入へ

ガソリンスタンドの数が減少している一方、ここ数年で充電スポットは全国的に増えています。短時間で充電できる急速充電設備は、日常生活で良く訪れるコンビニエンスストアや、地場産品などを求めて立ち寄る道の駅、高速道路で移動中に休息のために立ち寄るサービスエリア・パーキングエリア、一般道の幹線道路沿いなどに整備されています。
また、宿泊施設や長時間滞在する娯楽施設の駐車場などには、充電時間が長くかかる普通充電が設置されています。このほか、病院や役所など公共的な施設の駐車場にも充電器が設置されています。

電気自動車の普及が進み、インフラ設備が整ってくるにつれて、充電器を提供するビジネスや、充電器を設置して充電サービスを提供するビジネス、近くの充電スポットの検索などができるアプリサービスなど、新サービスを担うベンチャービジネスが登場し始めています。今後は充電器のネットワークを活用し、キャッシュレス決済事業者などのフィンテックサービスなどの本格参入も進むと見られており、料金や決済の多様化を含め、使い勝手がますますよくなることが予想されています。

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