電気自動車(EV)充電のインフラサービスを提供する事業者にとっては、ドライバーが立ち寄りたくなる魅力のあるサービスを提供することが成功のカギを握ります。

敷地内にカフェやアミューズメント設備、コインランドリーなど、充電時間を有意義に過ごすためのサービスを追加して、新しい顧客体験を提供することや、あるいはキャッシュレス決済を導入し労働生産性を向上・効率化すること、またIoT(モノのインターネット)を活用しマーケティング力を強化することなどで競争力を高める方法もあります。

充電中にカフェやランドリーなどで時間を有効に

従来のガソリンスタンドでの給油にかかる料金に比べ、EV充電器の利用料金はかなり割安になりそうです。このため、充電ステーション利用時の付加価値を高めるために、ドライバーが充電に要する時間を有効に使えるサービスをステーションの敷地内に設置し、収入源を増やすことも選択肢の一つです。

既存のガソリンスタンドにも併設されていますが、カフェやコンビニエンスストア、コインランドリーなどは、広い場所に設置された充電ステーションにも適したサービスと言えます。このほか、洗車や車内清掃のためのバキューム器の設置も有用です。EV充電は急速充電器を使っても30分程度の時間が必要となるため、ドライバーにとっては、充電されるまで、ただ待つだけというより時間を有効に使いたいと考えるでしょう。

充電ステーションの立地に左右されますが、駐車中に充電を済ませて近くにあるレストランで食事をしたり、コンビニやスーパーで買い物をしたりする利用者もいるでしょう。その場合は30分程度の充電時間を超えて駐車するケースもありうるので、パーキングサービスを提供することも検討できそうです。

キャッシュレス導入で省人化を進め競争力を高める

また、EVの充電ステーション事業者が収益性の高いビジネスモデルを構築するためには、省人化を進めてコスト競争力を高めることも肝要です。セルフ式の充電器サービスを提供するだけではなく、料金を支払う時にも自動化が可能なキャッシュレス決済を導入することにより、スタッフの仕事量の軽減や人件費の抑制に繋がります。

クレジットカードや電子マネー、スマートフォンを使ったQRコード決済など、キャッシュレス決済の利用者は日本でも年々増加しています。多くのドライバーにスマートに決済してもらうには、複数のキャッシュレス決済に対応しているマルチ決済システムだとより効果的です。充電ステーションでは、ガソリンよりも料金の支払いが少額になるので、QRコード決済への対応も増えているようです。

その一方で、全国各地でチェーン展開する充電ステーション事業者にとっては、ガソリンスタンドで導入されている決済ツールのような専用決済システムを採用することで、ドライバーの囲い込み効果が期待できます。専用決済ツールか、マルチ決済システムか、またはその両方か、どの決済方法を選択するのかは、それぞれの充電ステーション事業者の決断です。

IoTで集めたデータをマーケティングに活用

一方、充電器にIoT(モノのインターネット)を搭載することで、充電ステーションに訪れるEV自動車に関するデータを取得することが(理論上)可能になります。これに加え、ドライバーに関する属性等のデータなども、キャッシュレス決済のデータから取得することも可能になります。

これらのデータをマーケティングに活用することも可能になる他、例えば、近隣ショップのクーポンやポイント付与などのサービスと連携することで、顧客開拓や新たな収入源を確保に繋がる可能性もあります。

販売パートナー募集中






関連記事

省人化を進めるゲーム業界

キャッシュレス券売機、QRコード決済対応が普及

女性の悩みを解決するフェムテックチェアとは

券売機をキャッシュレス対応にする様々なメリットとは

顔認証 + OCRでeKYC(オンライン本人確認)

無人店舗の決済、セルフレジなど普及が進む

今さら聞けない「IoT」って何?

無人ビジネスの成功に必要なテクノロジーとは

QRコード決済のMPMとCPM、メリット・デメリットは?

店舗DXで顧客価値を創造し、生産性を高める