2017年春の帰省ラッシュ「春運(しゅんうん)」では、4つの試みがありました。
「春運」とは、中国の旧正月前後の約40日間に起きる人類最大の人口移動と言われており、2008年には20億人が移動しました。
政府も法令で制御するなどの対策は行なっているものの、解消には至らず、社会問題となっているそうです。

中国新聞網北京12月15日の報道によると、今年の「春運」は新しい4つの試みがあるとのこと。
一部の駅では顔認証システムを導入し、オンラインで切符を購入した人の6割が、検証コードが必要なくなるそうです。
(検証コードは、オンライン購入した際に、大量購入を防止するため、1枚1枚に付加されるコードになります)

以下、ChinaNewsの内容を紹介いたします。(日本に馴染みのない箇所に補足を挿入いたします)
2017年の鉄道春運は1月13日からスタートし、利用乗客数は延べ3.56億人に上ると予測されていました。
中国新聞網の記者の取材によると、改札の効率化を図るために、北京西駅など一部の駅では顔認証によるセルフ改札システムを導入したことが分かった。

(中国での従来の改札通行方法は、セキュリティや乗車チェックの観点から日本とは大きく異なります。 切符を購入すると、切符に氏名が書かれているものが発行されます。そして、「切符の名前」と「身分証明書」と「本人」が一致しなければ、改札を通過することができません。 当然、一人のチェックに時間を要すため、改札口は大変混み合ってしまいます。そのため、改札でチェックするための多くの人員が必要となります。)

北京西駅の旅客輸送部門の責任者は、記者の取材に対して、「北京西駅では11月末からセルフ改札口が開設され、今まで順調に稼働しています。
毎日セルフ改札口を利用する人数はおよそ1.4万から1.8万人ぐらいです。改札口を通るスピードが速く、大体5秒で駅内に入れます。」とコメントしておりました。

関係者によると、セルフ改札口を通るためには、「二次元コードが印刷された乗車券」と「身分証(政府が全国民に発行している身分証、日本で言うマイナンバーカードのようなもの)」を重ね合わせて装置に挿入すると、カメラが乗客の顔を撮影して身分証の写真と照合を行う。
一致すれば、改札ゲートが開き、駅内に入れるという仕組みです。

中国新聞網の記者が北京西駅を視察したところ、5秒以内で顔認証できるハイテクは、乗客にとても大変人気があることが分かった。
多くの乗客たちは記者に対して、通常の改札より顔認証改札のほうが明らかに効率良く、便利だと言っておりました。
北京西駅旅客輸送部の責任者は、「乗客に顔認証改札口の利用を案内するために、 案内係を1~2名配置しています。
現状、顔認証改札装置の利用時間は朝6時半から夜11時までです。春運期間中は、乗客数に応じて利用時間を延ばします。」と言っておりました。
春運期間中の顔認証改札がうまく進めば、乗客に「よりよい乗車体験」を届けることができるため、将来大規模な普及が見込まれております。
顔認証改札は新しい技術ですので、全ての乗客が利用できるわけではありません。
例えば学生や障害者に適用される割引乗車券の割引条件チェックは人手で行う必要があります。そのため、現在、顔認証改札は利用できません。
改札職員は乗客に対して、顔認証改札を効率良くスムーズに利用いただくために、身分証と乗車券の重ね方、乗車券の二次元コードの向き、そしてマスクや帽子、メガネなどを外すことを事前にアナウンスしております。
北京西駅旅客輸送部の責任者によると、「現在、顔認証による認証で失敗したケースは少ない。しかし、身分証が発行されてから長期間が経過し、乗客の外見がかなり変わる場合もある。
もし、それが原因で認証できない場合は、通常の係員のいる改札口を通らなければならない。また、普通の顔のメイクなら問題なく識別されるが、整形した人が顔認証で失敗するかどうかなど、実際に案件がないのでまだわからないケースもある。
ただ、顔認証システムは顔と身分証を照合するので、両者の特長が一致すれば問題ないと思われる。」

以上のように、課題や検証は残るものの、顔認証を利用した自動改札は、今後も普及して行くものと思われます。

参考:ChinaNews

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