東京都は都内の中小企業に対し、業界団体が作成した新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインなどに基づいて行う取組費用の一部を助成しています。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎながら、都内の中小企業の経済活動の推進に寄与することを目的としています。施設への入場時に、サーマルカメラを活用し、体温測定とマスク着用の有無を検出するAI認証端末なども助成対象となっています。

「新しい日常」の定着へ、サーマルカメラなど非接触での検温が効果的

新型コロナウイルスの感染拡大防止を図りながら経済活動を進めていくためには、密閉・密集・密接のいわゆる「3密」の回避を前提としたビジネスモデルへの転換が必要になります。東京都の助成・補助制度は、業界団体が作成した感染拡大防止ガイドラインの普及啓発から、ガイドラインなどに沿った都内中小企業の具体的な取り組みまでを支援するのが狙いです。

東京都が2020年6月19日に公表した「新しい日常」の定着に向けてと題した、事業者向け感染防止ガイドライン(第3版)では、各事業に共通する感染拡大防止の主な取り組み例を示しています。

入場時などにおける対策としては、「非接触型機器などを活用し、入場者を検温し、発熱者に対しては入場を制限する」としています。また、入場者にマスク着用の徹底などの周知を図ることが極めて重要になるとの見解を示しています。

マスク着用のチェックと体温のチェックは、新型コロナウイルスの感染防止策としては基本中の基本であり、極めて重要です。入場時のチェックを効果的に、且つスムーズに行うために、サーマルカメラなどの非接触型の検温機器の導入が一段と進むと見込まれています。

サーマルカメラ、東京都の助成金で普及の追い風に

例えば、体温とマスク着用の有無を同時に検出できるAI認証端末があります。サーマルカメラを活用し、端末に触れる必要がなく、ウォークスルーで利用することが可能です。通行者がマスクを着けていなかったり、異常体温を検出するとアラーム音で知らせる仕組みです。新型コロナウイルスの感染拡大を防止する対策として、企業のオフィスや工場の入退室管理のツールとしての導入をはじめ、大規模小売店舗やイベント会場の入り口に設置するケースが増えています。

サーマルカメラが映しだす映像は、人やモノの温度が高いところは赤く、低いところは青く表示され、サーモグラフィ(熱画像)と呼ばれています。チェックした人物が発熱している可能性を感知すると、音で知らせるうえに、ひと目でリスクが確認できる仕組みです。東京都の助成・補助制度が、施設への入場時に感染リスクをコントロールする機器の導入への追い風になることが期待されています。

東京都以外の道府県企業も助成対象となるケースも

助成対象者は、都内の会社、個人事業者などの中小事業者をはじめ、一般財団法人、一般社団法人、特定非営利活動法人(NPO法人)、中小企業団体などです。2020年5月14日現在、都内に登記簿上の本店または支店があり、都内で実質的に事業を行っている場合は対象です。つまり、他の都道府県の企業であっても、都内に支店を構え、実質的に事業を行っていれば、助成の対象となります。

申請受付期間は、2020年6月18日から8月31日まで(郵送)必着。助成対象期間は2020年5月14日から10月31日まで。助成限度額は50万円です。ただし、内装・設備工事費を含む場合は100万円。申請下限額は10万円。助成金の支払いは、助成事業を完了し、公社の検査・審査を経た後になります。助成対象となる経費のうち、助成金として交付される金額の割合である「助成率」は3分の2以内(千円未満は切り捨て)です。

例えば、助成対象経費が300万円(税抜き)である場合、助成率は3分の2で200万円ですが、助成金交付申請額は助成限度額の100万円となるので、超過分の100万円は自己負担になる。つまり、助成金交付申請は100万円、自己負担は計200万円となります。

申し込み方法は、公式ホームページから申請書をダウンロードし、必要書類を添付の上、公益財団法人 東京都中小企業振興公社感染予防対策ガイドライン実行支援事業事務局あてに郵送します。

〒101-8691 日本郵便株式会社 神田郵便局 郵便私書箱第98号


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