新型コロナウイルス感染症対策として、政府は地域の状況に応じた一人ひとりの「行動変容」を求めています。「不要不急の外出の自粛」をベースにした緊急事態宣言が解除された後も、企業や学校における感染症対策に万全を期することが極めて重要になるからです。感染拡大を防ぐポイントのひとつは、「感染源を絶つこと」であり、発熱などの風邪の症状がみられる人は自宅で療養することが大事です。発熱をチェックするために、多くの企業や学校で、毎日の検温を義務付ける動きが広がっています。

withコロナ、afterコロナでも求められる感染症対策

企業では、感染拡大防止のために自宅などからのテレワークをしていた従業員たちが、次第にオフィス勤務へと復帰する動きが進んでいます。また、学校などの教育現場でも、休校措置の解けた児童・生徒たちが、教室に戻っています。

新型コロナウイルスとの共存を図るwithコロナの考え方から、働く人のすべてがオフィス勤務に戻るわけではないし、児童・生徒たちのすべてが教室での授業に復帰するわけではありません。テレワーク、ウェブ授業など距離を置くことや、時差通勤・時差通学などを取り入れながら、小人数のグループ分けし、少人数がローテーションでオフィスや教室での活動を始めています。

新型コロナウイルスの脅威が大きく後退したafterコロナの段階に入っても、施設管理者側は、徹底した感染症対策が求められます。新型コロナの感染拡大が始まる以前よりも、ソーシャルディスタンスや3密(密閉、密集、密接)、咳エチケットの励行や手洗いの徹底など、一人ひとりの意識は向上していますが、それでも、感染のリスクがゼロになるわけではありません。

検温で感染の疑いある人を区別し、感染源を絶つ

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議によると、感染症対策のポイントは、「感染源を絶つこと」「感染経路を絶つこと」「抵抗力を高めること」の3つです。この3つのポイントのうち、「感染源を絶つこと」は、感染している人やその疑いのある人を発見することによって、効果を高めることが可能になります。

オフィス勤務が増え、学校の授業が再開されると、「感染源」の発生のリスクはどうしても高まります。オフィスビルや学校の施設に感染者の入館を許してしまうと、感染力が強い新型コロナウイルスの特徴から、瞬く間にほかの人たちにウイルスを感染させ、クラスター(集団感染)を発生させてしまう恐れがあります。

万一、企業や学校でクラスターが発生してしまうと、さらなる感染の拡大を防ぐために、その企業のオフィスや学校の教室を隔離することが求められます。つまり、再び、業務や授業の停止を強いられてしまう可能性が大きいと言えます。

こうした事態を防ぐためにも、「感染源」となる人を区別することが大事になります。すなわち「水際対策」が求められるのです。感染の疑いのある人を区別するために効果的なのは「検温」です。検温によって体温が一定以上を超える人が見つかった場合、施設への入館を認めず、自宅で休養するよう指導することが大切です。

日々の体温報告を義務化する企業

発熱は新型コロナウイルス感染症の典型的な症状のひとつです。体温の確認は感染拡大を防ぐ上で重要な手段と考えられており、外出自粛の緩和が進む中で、感染の次なる危機を防ぐため、人が集まる場所での検温が極めて重要な取り組みになっています。

ちなみに、人間の体温については一般的に、平熱は36.0度以上37.0度未満、微熱は37.0度以上38.0度未満とされています。また、感染症法に基づく届け出基準では37.5度以上を「発熱」、38.0度以上を「高熱」と定義しています。検温については多くの職場で、熱が37.5度以上の従業員に対し、自宅での休養を指示しています。また、念のため、熱が37.0度以上あった場合に出勤させないように指示している場合もあります。

多くの企業や公共施設では、従業員や来場者を検温する拡大防止策に取り組んでいます。感染が拡大する中、新型コロナウイルス感染を確認する目安の一つとして「風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合」が出されてからは、日々の体温報告を義務化する動きは一段と加速しています。

例えば、農業関係のビジネスを展開するある企業では、従業員に対しては検温のほか、自覚症状の有無などの体調管理チェックシートを記入し、各課単位で職制が確認しています。また、家族で体調不良になった人が出た場合にも、従業員が上司へ報告することを求めています。

学校と家庭が連携し、毎朝の検温と風症状の確認

文部科学省の学校再開ガイドラインによると、学校においては、それぞれの地域の感染状況を十分踏まえながら、感染症対策に万全を期することが求められています。具体的には、発熱などの風邪の症状がみられる児童・生徒については、自宅で休養させることを徹底しています。教職員についても同様の対応が必要です。

検温については、家庭と連携し、毎朝の検温と風邪症状があるかないかを確認しています。登校前に確認できなかった児童・生徒については、学校の保健室などでの検温と風邪症状の確認を行います。

なかでも、医療的ケアを必要とする児童・生徒については注意が必要です。個人によって状態は様々であり、中には、呼吸の障害を持っていたり、気管切開や人工呼吸器を使用する場合も少なくないからです。

新型コロナウイルスの感染が重症化するリスクが高いことから、こうした児童・生徒が在籍する学校においては、地域の感染状況を踏まえ、主治医や学校医・医療的ケア指導医に相談の上、個別に登校の判断をすることが必要です。

いずれにしても、感染症対策の効果を高めるには、私たち一人ひとりが、日々の身体的な状態をセルフチェックすることが求められます。些細な体調の変化を見逃さない意識の高さが必要です。中でも、発熱があるかどうかをチェックする検温の重要性はますます高まりそうです。

非接触で発熱とマスクを検知する顔&手のひら認証端末

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