オフィスへの顔認証システム導入

オフィスへの顔認証システム導入

オフィスの顔認証は、カード管理の負担を減らし、本人確認に基づく入室管理を行うための選択肢です。導入を判断する際は、既存の扉への設置、実際の環境での認証、認証できない場合の入室方法、顔データの管理を一体で確認する必要があります。

本記事では、総務・施設管理・情報システムの担当者に向けて、オフィスの出入口や執務エリアに顔認証を導入する際の選定・運用のポイントを解説します。試験導入で確かめる内容と、飛天ジャパンのFaceTenで確認できる機能も紹介します。

顔認証を導入する2大メリット

顔認証を検討するときは、現在の入室管理のどの作業を減らし、どの確認を強めたいのかを整理しましょう。カード管理と本人確認の二つに分けると、導入の目的を具体化できます。

カード管理コストと業務負担の削減

顔認証で入室する運用に切り替えると、利用者はカードを取り出さずに本人確認を行えます。カードを配布しない範囲では、発行・貸与・回収や紛失対応の作業を減らせるため、管理担当者の負担軽減につながります。

【参考】飛天ジャパン「FaceTen」

ただし、顔認証用データの登録や、人事異動に伴う入室権限の変更は引き続き必要です。予備のカードを併用する場合は、その発行や回収も残るため、現在の業務のうち何が減り、何が新しく発生するかを整理しましょう。

本人確認に基づく入室管理

顔認証を入退室管理に組み込むと、顔による本人確認と、対象の扉への入室権限を組み合わせて運用できます。カードを持っているかだけで判断する運用から、登録された本人かを確認する運用へ変えることができます。

【参考】飛天ジャパン「FaceTen」

実際の管理では、本人であることと、その部屋に入ってよいことを分けて考えます。例えば、一般の執務室と資料保管室で入室できる人を分け、異動や退職時に権限を更新することで、顔認証を社内の管理ルールに結び付けられます。

オフィスの顔認証を選ぶ3つのポイント

顔認証システムの機能一覧を比較する前に、設置場所、日常の利用条件、管理担当者の業務を確認します。自社で必要な条件を決めてから、候補製品の対応範囲と照合しましょう。

既存の扉に設置できるか

最初に、導入したい扉の種類と、現在の錠・入退室管理設備を確認します。認証端末を設置する場所だけでなく、解錠するための接続や電源、配線まで含めて、設置方法を相談する必要があります。

現地調査では、次の情報を用意すると確認を進めやすくなります。

  • 対象の扉と既存の錠・設備の型番や写真

  • 端末の設置候補位置と電源・通信配線の状況

  • 管理会社への確認窓口と工事に関する条件

賃貸オフィスでは、扉や共用部に手を加えてよい範囲、工事承認の要否も管理会社へ確認しましょう。既存設備を使えるか、追加工事が必要かは、候補製品と現場の組み合わせで判断します。

現場の条件で認証できるか

認証性能は、実際に設置する場所で確かめることが大切です。米国国立標準技術研究所(NIST)は、顔認証で、本人なのに一致と判定されない誤りについて、画像品質の影響が大きく、照明やカメラの高さに起因する顔の角度などが影響し得ると説明しています。

【参考】NIST「Face Recognition Technology Evaluation(FRTE)1:1 Verification」

試験では、朝夕の光の変化、身長の違い、通常着用する眼鏡やマスクなど、自社で想定する条件を用意します。認証の成否に加えて、出社が集中する時間帯の待ち時間も確かめましょう。写真や動画を使ったなりすましへの対策は、導入する端末の対応機能と試験条件を確認します。

必要な管理機能があるか

管理機能は、利用者の登録から、権限変更、履歴の確認までを担当者が実行できるかで選びます。部署単位の権限設定が必要ならグループ管理を、問い合わせ時に入室状況を調べたいなら履歴の検索方法を確認しましょう。

認証できない人や来訪者への対応も、選定時に決めておく必要があります。例えば、利用できる代替の認証方式、受付での本人確認、担当者の呼び出しなどを検討し、誰がどの手順で入室を認めるかを定めます。停電・通信障害時の解錠や履歴保存の動作は、採用する機器構成ごとに提供元へ確認してください。

オフィスの顔認証データの管理

顔データの扱いは、機器を選ぶ段階で社内の運用に組み込みます。従業員の情報であっても、個人情報の定義に該当すれば、個人情報保護法に従った取扱いが必要です。

【参考】個人情報保護委員会「従業員に関する情報の取扱い(Q1-20)」

利用目的を具体的に伝える

本人を識別できる顔画像や、顔の特徴を変換して本人を認証できるようにしたデータは、個人情報に該当します。個人情報保護委員会のガイドラインでは、利用目的をできる限り具体的に特定することが求められています。

【参考】個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドライン(通則編)」2-1、2-2、3-1-1

従業員への説明では、「オフィスの入室時の本人確認と入退室履歴の管理」のように、実際の用途を伝えましょう。併せて、取得する情報、管理する部署、問い合わせ先、顔認証を利用しない場合の入室方法を案内すると、運用への疑問を確認しやすくなります。

保存先と閲覧権限を決める

製品を選ぶ際は、顔画像や認証用データ、入退室履歴がどこに保存され、誰が扱えるのかを確認します。端末、社内サーバー、外部サービスのうち、どこにどの情報を置くかは製品や構成によって異なるため、名称だけで判断しないことが大切です。

社内では、利用者の登録担当、履歴を見る担当、設定を変更する担当を決め、必要な人に必要な権限だけを付与しましょう。外部事業者へ管理を委託する場合も、契約と実際の運用で、アクセスできる範囲や管理責任を確認します。

【参考】個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドライン(通則編)」3-4、10-6

不要なデータの削除を定める

退職時の入室権限の解除と、保存しているデータの削除は、別の作業として管理します。権限を外すだけで、顔画像や履歴まで消えるとは限らないためです。顔データと入退室履歴それぞれについて、保存する目的、期間、削除する担当者を決めておきましょう。

個人情報保護委員会は、利用する必要がなくなった個人データを適切に消去する重要性を示しています。運用では、退職の連絡を受けて権限を解除し、データは定めた保存ルールに沿って削除する流れを作ります。削除対象に端末内のデータやバックアップが含まれるかも、提供元へ確認してください。

【参考】個人情報保護委員会「データの消去に関する注意喚起」

オフィスで顔認証を導入する手順

導入作業は、対象を決め、限られた範囲で試し、結果を見て広げる順で進めます。機器の動作確認と、担当者が日常の業務を回せるかの確認を同時に行いましょう。

対象の扉と利用者を決める

まずは、カード紛失への対応が多い出入口や、入室できる人を限定したい部屋など、改善したい場所を決めます。すべての扉を一度に対象にする前に、利用人数や利用時間、来訪者の有無を整理しましょう。

次に、従業員登録、権限変更、問い合わせ対応の担当を決めます。人事から異動・退職の情報を受け取る方法と、変更を完了させる時点を定めておくと、設置後に運用が曖昧になるのを防げます。

試験導入で運用を確かめる

試験導入では、利用者が入室できることに加え、権限のない扉には入れないこと、設定変更が端末へ反映されることを確認します。管理画面で変更した状態と、現場の端末で有効になっている状態を分けて確かめるのがポイントです。

顔認証に失敗した場合は、決めておいた代替手順で本人確認を行い、入室可否を判断できるかを試します。原因を確認して登録情報や設置条件を調整したら、再度試験しましょう。機器の不具合と運用上の困りごとを分けて記録すると、提供元へ相談しやすくなります。

導入後の効果を確かめる

効果は、導入前に困っていた業務がどの程度変わったかで確かめます。例えば、カードの紛失・再発行対応の件数、認証できずに担当者が対応した件数、登録や権限変更に要した時間を、自社の評価項目として設定します。

導入前後を比較する際は、期間や利用人数などの条件をそろえましょう。カード対応が減っても、登録や例外対応の負担が大きければ、運用の見直しが必要です。問題が残る場所では条件を調整し、再試験したうえで展開範囲を決めます。

オフィスの顔認証導入のまとめ

オフィスの顔認証は、カード管理の負担軽減と、本人確認に基づく入室管理に役立ちます。導入を決める際は、既存の扉への設置条件、現場での認証、認証できない場合の対応、顔データの管理まで確認することが大切です。

対象の扉と利用者を絞って試験し、権限変更や例外対応を含めて運用できるかを確かめましょう。導入前の課題に対応した評価項目を用意することで、自社にとっての効果を判断しやすくなります。

賃貸オフィスにも設置できる?

既存の扉や錠、配線の状況と、管理会社が認める工事範囲によって判断します。扉・設備の情報を整理し、工事承認の要否と設置方法を管理会社や提供元へ確認しましょう。

顔認証できないときはどうする?

利用できる代替の認証方式や、受付・担当者による本人確認の手順を事前に決めます。試験導入でも代替手順を確認し、認証できなかった原因に応じて登録情報や設置条件を見直します。

顔データも個人情報に当たる?

本人を識別できる顔画像や、顔の特徴を変換して本人を認証できるようにしたデータは個人情報に該当します。利用目的を具体化し、保存先・閲覧権限・削除方法を決めて管理しましょう。

FaceTen(飛天ジャパン)で実現するオフィス顔認証

飛天ジャパンのFaceTenは、顔認証や手のひら認証による本人確認と、ドアの解錠、入退室履歴の管理に対応するソリューションです。利用者・グループ管理、ドア管理、ログ検索などの機能を備えています。対応する認証方式は端末によって異なるため、顔認証を使う場合は対象の端末を確認します。

【参考】飛天ジャパン「FaceTen」

公式マニュアルでは、従業員・グループ・ドア・設備を関連付けて権限を管理する仕組みが説明されています。また、権限を設備へ適用するには同期が必要とされているため、試験時は設定から現場への反映まで確認することが重要です。

【参考】飛天ジャパン「Facetenシステムマニュアル」

導入を検討する際は、対象の扉、利用人数、必要な権限設定、代替の入室方法を整理し、FaceTenの機能と照合しましょう。既存設備との接続やデータの保存・削除など、自社の条件に応じた運用については、飛天ジャパンへ具体的に相談してください。

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