JCSSA中国IT企業視察大連ツアー2012を催行

飛天ジャパン株式会社は、日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)と協力し、JCSSA会員を対象とした「JCSSA中国IT企業視察大連ツアー2012」を催行いたしました。

今回はBPO(Business Process Outsourcing)業界に特化した大手企業3社を見学し、各企業は自社の強みを生かしたビジネスモデル及び差別化ポイントを伺うことが出来ました。また、日本の大手都銀「みずほ銀行大連支店」を訪問し、現地の投資環境及び大連日系企業における賃金・人事・労務問題の最新トレンドなどについての豊富な情報も収集することができました。今回は、中国ビジネスの成功ポイントの一端を肌で感じることができた3日間でありました。

大連市概要:
「北方の真珠」と呼ばれる中国有数の港町である大連は、アカシア並木の美しい異国情緒あふれる町です。戦前は多くの日本人が住んでいました。

面積:13,237(新潟県と同程度)
人口 669万
気候:大陸性モンスーン気候、夏の最高気温は27℃~29℃、冬の最低温度は-15℃
GDP:6150億元 CPI:2.7%
市区住民一人当り手取所得:24,276元
在留邦人数:6175(2011年10月)
日系企業数:約1,300社(201年1月 大連日本商工会登録 783社)
主要産業:石油加工、装備製造、ソフトウェア産業、金融、商業
発展目標:全域都市化
<3つの中心>
・ 東北アジア国際港運センター
・ 東北アジア国際物流センター
・ 地域金融センター
<1つの産業集中区>
・ 設備製造、石化、造船、ソフトウェア及びアウトソーシング等の優位性を強化

長興島と旅順に船舶基地、原子力発電、機関車の産業基地、自動車産業基地、等の産業集中区の建設を行う
(出所:みずほコーポレート銀行大連支店 提供資料)

 

日程2012年7月19日~7月21日
視察企業・Infodeliver
・Neosoft
・YIDETEC(杭州東忠科技有限公司)
・みずほ銀行大連支店
主催一般社団法人日本コンピュータシステム販売店協会

 

Infodeliver

Infodeliverは日本国内企業向けに日本語での事務処理やデータ入力処理の受託業務において、国内大手企業100社超の豊富な中国BPO業務の受託実績があり、InfoDeliver大連センターでは1,500名のオペレータが日本語での大規模な業務処理能力を有しており、BPOサービスに特化した企業です。日本企業での人事・総務・経理事務等のバックオフィス業務や金融・製造・小売業向けのデータ入力、組版・画像加工業務など、日本語にて低コストかつ高品質・安定的なサービスを提供しています。

プレゼン、社内見学では、業種が異なる各日系企業、医療機関向けのBPO現場を拝見させていただきました。企業の機密情報漏洩対策及びBCP対策のレベルの高さに大変感心させられました。セキュリティ対策の面では、主に私物の持ち込み禁止、監視カメラの全面設置、シンクライアントの導入、及び自社保有しているデータ保存時の分割技術で厳格な顧客情報漏えい対策を実施しています。また、大連と日本間においてはVPN接続でデータの保全を行い、徹底したBCP対策も実施しています。

 

Neosoft

Neosoftは国立大学の研究所とアルパイン株式会社との産学協同で1991年に創設された企業です。中国最大のITソリューション・サービスプロバイダーとして、グローバル運営を通じ、世界各国の多くの企業にサービスを提供しています。従業員は20,000名以上、主な事業分野は凝集ソフトウェア開発販売、組み込みソフトウェア開発販売、医療機器製品開発販売、BPO事業、教育事業となります。

今回見学したところは、Neosoftグループ傘下のBPO事業、コールセンター事業などに特化したNeosoft IT Service社です。従業員数は約1,000名、親会社のオフショア開発(7,000名以上の技術者を保有)及び各業界のソリューションに精通した強みを生かして、ITインフラ及びネットワークを構築し、企業経営におけるFront OfficeからBack Officeまで、BPOサービスをワンストップで提供できることが特長となります。社内見学時に、米国の大手セキュリティベンダーのコールセンター業務現場を拝見させていただきましたが、同一コールセンター内で英語・日本語・韓国語・中国語でのサービスを提供している風景、及び最先端のCRMシステムの導入が顧客満足度の向上に繋がっているという事を実感できました。

 

YIDATEC

YIDATECは、1998年に中国東北地方の大手不動産デベロッパーYIDAグループ傘下のITサービス部署からスピンオフした企業です。現在は従業員数が約1,000名、売上高は約1億元(2011年)となります。

親会社不動産デベロッパーの強みを生かして、IDC(データセンター)サービスを含めた営業ステップ(ヒアリング、提案)から、オフショア開発、保守運用サービスまでワンストップサービスを提供できることが特長の企業です。

 

みずほ銀行大連支店

最後に市内の森タワー内にあるみずほ銀行大連支店を訪問し、支店長より大連でのビジネスについて、基礎知識を伺うことができました。

大連市には約6,500 人の在留邦人が居ますが、長期出張者を含むとその数は約1万人にのぼり、上海の約1/10 の規模です。また東北唯一の保税区もあります。さらに大連は上海についで外資導入率の高い地区となっています。気候は比較的冬暖かく夏涼しいため、避暑地や避寒地となっており、住宅価格は瀋陽よりも高くなっています。また一人当たりGDP は北京、上海よりも高いようです。大連は自然にも恵まれ、青い海があり、魚介類が新鮮です。また旧満州国に属する地域ということもあって日本語を使える人材が豊富です。日本語弁論大会が毎年行われ、13,000 人が応募し、決勝レベルは結構高いとのことです。大連理工大学には日本語学科もあります。

大連日系企業における賃金・労務のお話も伺いました。2011 年は前年比14.3%の上昇で、物価を勘案した実質増加は8.5%となっているとのことでした。ところが、IT 分野では日系企業の賃金は中国系企業に負けており、日系企業への就職動機が『その後に有利に転職できるから』という理由には寂しいものがあるということでした。 反日感情については、大連はもともと親日的であり、尖閣諸島問題時にも反日デモはなかったそうです。現在でも中日友好学友会と日本大連会との交流は続いており、草の根レベルでの親睦が行われていることは良いお話でした。

 

 

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