接触型ICカードと非接触型ICカードについて

ICカードは「接触型」と「非接触型」に分類され、接触型とは、カード端末機のリーダ/ライタ端子と接触するモジュール端子を持つタイプでカードと端子が直接接触して通信を行います。確実な通信を行える接触型は主に、より堅牢なセキュリティが求められる決済や認証の分野で使われています。

一方の非接触型とはカード内部にアンテナの役目を果たすコイルが内蔵されており、端末のリーダ/ライタから発生している磁界にカードをかざすと無線通信でデータのやりとりができます。JRが発行している「Suica(スイカ)」や「ICOCA(イコカ)」、首都圏の私鉄・バスで使用できる「PASMO(パスモ)」。その他にも「PiTaPa(ピタパ)」や電子マネーの「楽天Edy(エディ)」、「nanaco(ナナコ」)などが馴染み深い非接触型ICカードといえます。

他にも、航空会社の発行する「JALカード」や「ANAカード」などのマイレージポイントカードをはじめ、住基カードや免許証、パスポートなどの公的認証書類にも採用されるなど、その発行枚数は分野を問わず飛躍的に増え続けています。

■非接触型ICカードの特徴
今までのICカードと何が違うのかというと、文字通り非接触で電波を使ってリーダーライター(読取機)と交信することでデータの読み書きができることです。
RFID(Radio Frequency Identification)というシステムを利用しているのですが、日頃から使い慣れたカード形状にすることで誰でも違和感なく使うことができます 。
もっとも大きな特徴は、かざすだけという簡単な使用方法で上下裏表に関係なく使えるので、定期入れから取り出すことなく近づけるだけで反応するところにあるかと思います。

またメンテナンスが容易であることや、磁気カードに比べてセキュリティ・レベルが高くユーザーに対して安心感を提供できると言う意味で、導入する側のメリットとしても魅力があるようです。

■非接触型ICカードの規格
非接触ICカードには色々な規格がありますが、一般的にはISO/IEC14443に定められる国際標準規格のTypeA、TypeBが世界中で普及していますが、日本国内では「FeliCa(フェリカ)」が最も知名度が高く、「Suica(スイカ)」「ICOCA(イコカ)」「PASMO(パスモ)」「PiTaPa(ピタパ)」「楽天Edy(エディ)」「nanaco(ナナコ」などはすべてこのFeliCa(フェリカ)のシステムを採用しています。
このほかにもJALやANAのマイレージカードなども非接触型ICカードでクレジット機能が付いているものなど「FeliCa(フェリカ)」を採用しているカードは非常に多数あります。

それぞれの特色を簡単に説明します。

●FeliCa(フェリカ)
ソニー株式会社が開発したFeliCa(フェリカ)が最も得意とするのは処理速度の速さです。もともと海外でその実力が認められ、香港の「オクトパス」というICカード乗車券などに採用されていました。その後、JR東日本が「Suica(スイカ)」に採用するシステムを検討する際、海外も含む各開発業者に課した課題が0.1秒以内の処理という非常に困難なものでしたが、それを技術的にクリアすることができたのはFeliCa(フェリカ)だけだったと言われています。

●TypeA
TypeAはオランダのフィリップス社で開発された「Mifare(マイフェア)」をはじめヨーロッパを中心に広く普及しています。メモリーのみでCPUが搭載されていないタイプなどは低コストで生産できることから使い捨てのテレフォンカードなどで普及しました。日本ではローコストで導入できることから企業のオフィス入退室の管理用などにも良く使われるようです。

●TypeB
TypeBは米国モトローラ社によって開発され、日本では住基カードやIC運転免許証などに採用されています。セキュリティレベルが高いため公的認証や金融サービスで使われることが多く、銀行のキャッシュ・カードなどにもこのタイプが採用されることが多いようです。

中でも現在最も注目を集めているのが近距離無線通信の国際標準規格NFC(Near Field Communication)であり、NFC(Near Field Communication)は日本で事実上のデファクトとなったFeliCa(フェリカ)や世界中で利用されている「Mifare(マイフェア)」などの非接触ICカードの上位互換性となり、ポイント/会員証、家電、ヘルスケア、決済、航空・運輸など、さまざまな分野での活用が期待されています。


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