中国は世界最大のIoT市場として、技術開発と社会サービスの実装で世界をリードしています。「中国製造2025」や「インターネットプラス行動指導意見」などの政府主導のビジョンの公表と、規制にとらわれない民間企業によるIoTソリューションの提供という両輪が中国のIoTビジネスを加速させています。デジタルライフに慣れた住民による需要が拡大し、公共サービスから自動販売機まで、あらゆるサービスのIoT化が進んでいます。

広い国土と多い人口を網羅するIoTソリューション

公共サービスのIoT化の事例としては、電気や水道といったライフラインでのIoTソリューションが挙げられます。中国は国土も広く、人口も多いため、電気メータや水道メータの検針を人手によって行うことは大きなコスト要因となります。各家庭の使用状況をIoTで管理することで、人が家庭を訪問することなく、検診作業を自動化し、目覚ましい効率化を達成することができるわけです。

さらに、公共交通の分野でも、IoT化が進んでいます。スマート・シティのモデル都市では、AI(人工知能)やビッグデータ、ライブカメラなどを活用した交通サービスのスマート化にも取り組んでいます。道路のライブカメラの映像をAIで分析し、蓄積したデータをもとに渋滞要因を分析することで、信号機や右折・左折レーンの設置などの道路インフラの改善に活用しています。また、交通状況に応じて、信号機の点滅を自動で切り替え、緊急車両の到着時間の短縮を可能にしています。

農業分野では、広大な農地の管理をセンサーやドローンなどのIoTを活用する取り組みが進められています。空気、土壌、日照、温度などの状態をモニタリングし、蓄積したデータを分析し、食物の生育に最適な条件を導き出します。

本格的に動き出すスマートファクトリー

中国では、国策として製造業の強化を打ち出していて、中でもIoTによるスマートファクトリー化が重点施策となっています。このため、中国の通信ベンダーや通信機器メーカーもIoT向け製品や低価格の低速IoT専用回線のサービスやIoTプラットフォームのサービスなどを展開しており、工場でのIoTソリューションの活用が進んでいます。

「中国製造2025」では、情報技術と製造技術のデジタル化と融合、将来的な発展の礎となる知的生産システムの構築を目標に掲げています。中国のIoT産業は、センサーやRFID、半導体などの部品メーカー、システムインテグレーター、インターネット事業者、サービスプラットフォームプロバイダーで構成されています。

初期段階として、大きな発展を遂げている産業は、部品メーカーやシステムインテグレーターです。さらに、IoTサービスに対する需要が高まるに従って、ネット事業者やサービスプラットフォームプロバイダーも成長を始めています。主に、規模が大きな工場でスマートファクトリーが進んでいて、製造のリードタイムの短縮が実現し、労働時間の短縮や製造コストの削減などが予測されています。また、製品・サービスのサプライチェーンでのIoTやビッグデータの活用が進むことも期待されています。

自販機やシェア自転車…消費者サービスで急速に拡大

中国国内で、最もIoTサービスが進んでいる分野として、さまざまな自動販売機や、アーケードゲームなどのエンタテインメントサービス、また、自転車などのシェアリングサービスなど消費者に身近な日常生活にかかわるサービスが挙げられます。

飲料などのスマート自動販売機は、大型ディスプレイや音声認識用のマイク、高解像度カメラを搭載した「大きなスマートフォン」の機能を持っているのが特徴です。消費者が自動販売機を利用しようとしていないケースでは広告画面が表示されているが、消費者が近づくと、画面が商品表示画面に切り替わるものもあります。

「クレーンゲーム」などのアーケードゲームにもIoT機能が搭載されるケースが増えている。例えば、クレーンゲームには顔認証技術を搭載しており、蓄積したデータを分析することで、次回以降の景品を選ぶ際の参考にしているといいます。

また、シェアサイクルやシェアマッサージチェア、シェア充電器といったシェアリングサービスでも、IoTの活用が増えています。QRコード決済に代表されるキャッシュレスのモバイル決済が普及している中国では、IoTプラットフォームを利用したSaaSサービスとの連携を行うことで、IoTソリューションが簡易的に実現できることが強みになっています。

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