オフィスの入退室管理にも最適な顔認証システムとは

顔認証システムは、カメラに写った顔情報をデータベースと照合して識別する認証方法です。なりすましなどの不正が困難なセキュアな認証である上、パスワードを設定する必要がない、非接触など利便性に優れ、利用者の心理的な負担も少ないのが特徴です。オフィスへの入退室の管理など、私たちの最も身近で、使い勝手の良い認証方式として急速に広まっています。

顔認証システムとは

生体認証はバイオメトリクス認証とも呼ばれ、個人を認証する時の方法の一つです。生体そのものが持っている特徴を利用して、顔認証のほか、指紋、声、静脈、瞳の虹彩などの種類があります。パスワードのように忘れてしまう恐れがなく、IDカードのように紛失してしまうこともありません。

なかでも顔認証は、使い勝手がよく、セキュリティが高い生体認証と言われています。顔認証は、顔の目や鼻、口などの特徴点の位置や顔領域の位置、大きさなどの情報をもとに照合を行います。指紋認証や静脈認証と違って、センサー等に直接触れる必要がありません。「非接触」での認証が可能であることは、衛生的な状態を保つことができ、手に何かを持っていてもハンズフリーで認証が行えるメリットがあります。

カメラの前に一瞬立つだけで、特定の操作を必要とせず認証が完了します。その他の認証と比べ利用者の利便性は高いうえ、「盗難」や「なりすまし」「ハッキング」といった安全性を脅かすリスクも小さいと言えます。

AI画像認識技術とその精度

画像認識とは、画像から特徴をつかみ、対象物を識別するパターン認識技術の一つです。人間は写真などの画像を見れば、自分の経験からどのような場所に何が映っているかを推測するとこができますが、コンピューターには人間のような記憶の蓄積や経験はないので、人間のように画像を認識することはできません。

そこで、活用する技術がAI(人工知能)です。画像認識ではコンピューターにデータベースから大量の画像を与え、対象物の特徴をコンピューターに自動的に「学習」してもらいます。すると、コンピューターは画像データから対象物の特徴を「理解」し、同じ特徴を持った画像が与えられれば、推測することが可能になるわけです。

AIが画像認識に導入されるまでは、画像認識率は、高くても70%台前半でしたが、AIによるディープラーニング(深層学習)が進化したことにより、画像認識の正解率は95%を超え、100%に近づいています。

画像認識は、状況によって形状が変化しやすいものに関しては正解率が低いなどの課題もあります。しかし、AI・ディープラーニングのテクノロジーの進化により、精度はこの先もさらに向上することが期待されています。

オフィスの入退室管理に最適

顔認証システムは、私たちの身近なところでも活用されはじめています。スマホやPCなどのほか、書店、スーパー、マンション、ホテル、病院、空港、テーマパークなど、利用者に負担をかけずに、高いセキュリティが必要なシチュエーションでの導入が広まっています。

なかでも、最近は企業におけるセキュリティ担保の重要性が高まり、企業の入退出管理やオフィス内でのさまざまな認証手段として、顔認証システムが導入される傾向が強まっています。

これまでオフィス内では、認証が必要とされる場合、社員はシステムごとのIDカードの使い分けが必要で、定期的なパスワードの変更も求められていました。セキュリティの管理者も、複数のIDカードやパスワードの管理業務の負担が増大し、IDカード紛失時やパスワードを忘れた時の手続きも煩雑でした。

顔認証システムは、普段から人間が相手を判別する手段として利用している自然な方法で、利用者の心理的負担が少ないといわれています。オフィスの入退出に顔認証システムを導入することで、社員は利便性の向上した環境でより業務に集中することができます。

導入メリット

顔認証システムの導入により、オフィスのセキュリティは向上することが期待されます。顔は個人を判別するためにはもっとも特徴的であり、IDカードやパスワードのように貸し借りができないため、「なりすまし」を防ぎます。また、自分の顔が履歴として残されるという心理負担もあり、不正を働きにくくする効果が期待できます。指紋認証のように機器に触れる必要もないため、機器の劣化、損傷を軽減し、衛生的にも優れています。

また、顔認証はカメラに顔を向けるだけですぐに照合が行われるなど、入退場に余計な手間がかかりません。パスワード認証はもちろん、指紋や静脈などの他の生体認証と比べても特定の操作が不要なため、利用者が手順や操作方法を忘れてしまうリスクもほとんどありません。

顔認証システム導入の最大のメリットは業務改善でしょう。IDカードなどの発行や更新などの業務が不要になり、認証管理業務の運用コストを軽減できます。社員の入出退勤の記録を自動保存し、労務管理に役立てることも可能になります。特定の室内への入退室管理に導入しれば、鍵の貸与が不可能となることから、厳密な入退室制限を行えるなど、セキュリティ強化にもつながります。

AI顔認証デバイス
様々なシーンで導入可能なAI顔認証デバイス(サイネージ&端末)

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