アリババ集団の生鮮スーパーマーケット
「フーマー・フレッシュ(盒馬鮮生)」に注目が集まっています。

2018年の出店計画は60店舗でしたが、8月末の時点で65店舗を超えており、年内の出店目標を100店舗に上方修正しました。数年内に成都、武漢、南京などに進出し、合計で2,000店舗を開店する準備を進めています。

フーマー・フレッシュが中国人顧客に受けている理由は、店内に設置された巨大な水槽には魚やカニが泳ぐ「エンターテインメント要素」と、買ってその場で食べる「グローサラント」。魚介類は来店客が生け簀から取り出して決済した後、調理カウンターで調理法・味付けを指定すると、店内常駐の調理師がその場で料理し店内のテーブルで食べられます。「グローサラント」により店舗の魅力を高め集客する一方で、店舗は商品のショールーム且つ倉庫=売上を宅配(スマホ注文)に集約させようという目論見があり、今のところその目論見通りに宅配(スマホ注文)の売上は全体の50%以上単位面積あたりの売上は既存スーパーの3.7倍という驚異的な数字を達成しています。

フーマー・フレッシュは会員制を採っており、顧客が買い物をする際は専用のスマホアプリでの会員登録を必須としています。この会員制度はアリババグループの決済サービス「支付宝(アリペイ)」と紐付き、フーマー・フレッシュの来店履歴や購入履歴とともに分析できるため、食品スーパーで一般的なPOS(販売時点管理)データよりも精度の高い需要予測が可能となり、精肉や野菜等の生鮮食品も「その日に売れる数量だけを製造・入荷してその日のうちに売り切る」ことを実現しています。

また購入した商品を決済するレジも日本や中国の食品スーパーでおなじみの形とは大きく異なり、出口付近の目立つ位置にずらりと設置されているのは大型のデジタルサイネージとバーコードリーダーからなるシンプルな形状のセルフレジです。来店者はバーコードリーダーで商品をスキャンし、最後にフーマー・フレッシュのスマホアプリに表示されるQRコードをスキャンするだけで支払いが完了します。

中国で進む新小売革命。アリババ集団は「フーマー・フレッシュ」、永輝は「超級物種」、京東は「7フレッシュ」、美団は「小象生鮮」、歩歩高は「好爸爸」を展開し、激しく競っていましたが、フーマー・フレッシュの一人勝ち状況になりつつあります。このままフーマー・フレッシュが独走をするのか。それともカルフールを買収したもうひとつの巨人テンセントが参入し、アリババ集団のライバルとなるのか。今後も注目です。

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