ゲームもキャッシュレス決済で
ゲームセンターなどのアミューズメント施設におけるキャッシュレス決済の普及が進んでいます。電子マネーなどのキャッシュレスの普及によって、来店客の多くが望む形で、SuicaやPASMOなどの交通系電子マネーを中心に、小銭を持たなくても遊べるゲーム機が増加したほか、アーケードゲーム機に後付けする形でQRコード決済の機能を搭載する動きも本格化しています。キャッシュレスユーザー層が本格的に拡大
電車やバスなどの公共交通機関の料金の支払いも以前から交通系電子マネーに対応していますが、コンビニエンスストアやスーパーマーケットのレジもキャッシュレス対応になり、無人レジを増やす動きが加速しています。日本でも、キャッシュレス決済が日常の支払い方法として浸透しているためで、特に少額の料金支払いには、キャッシュレス決済に対応していないと不便さを感じる人も増えているようです。
こうしたキャッシュレスの流れが、コイン式と呼ばれる硬貨での料金支払いを基本にしてきた装置にも波及しています。例えば、コインパーキングやコインランドリー、そして100円玉を入れて楽しむアーケードゲームなど、既存のコイン式機器へのキャッシュレス導入が広まり始めています。
この流れを推し進めているのは、ユーザーのニーズです。コンビニでの買い物や電車に乗るにも、電子マネーを使う人が増え、財布の中に小銭を入れておく必要がなくなっています。それゆえにコインしか使えない自動販売機やタクシーを敬遠し、キャッシュレス決済に対応したサービスを選ぶ傾向が強まっているからです。
キャッシュレスは値上げやキャンペーン施策などにも有効
これまでアーケードゲームは、100円を投入して遊ぶ仕組みを長年続けてきました。利用者にとっては手軽に遊べるレジャーとして親しまれてきました。一方でアミューズメント施設の運営者にとっては、消費増税などに機敏に対応し、値上げをすることが難しいという事情を抱えていました。さらに従来は集客のためのキャンペーン施策としては、お得感を出すためのクーポン券や割引券などに限られていました。キャッシュレス機能を搭載することで、料金の変更も設定を変えるだけでできるほか、ポイントを使った他の施設とのコラボなど、さまざまなキャンペーンが展開しやすくなります。
設備投資を抑制するため、後付けに注目
アーケードゲーム機を製造するメーカー側は、新作が誕生するたびにキャッシュレス対応機を投入する動きが増えています。主に、消費者の間で先行して普及していた交通系電子マネーなどのプリペイド方式の電子マネーを導入する施設が多いようです。ただ、プリペイド方式の電子マネーはチャージをする必要があるので、ユーザーにとっては残金がなくなってしまうと、チャージをするか、ゲームセンターで遊ぶのを打ち止めにしなければなりません。一方、施設運営者側にとっても、キャッシュレス対応機を導入するための設備投資の負担が大きくなりがちです。
こうした課題を解決するソリューションとして、クレジットカードに紐づけできるQRコード決済を導入する施設運営者が増えています。QRコード決済のシステムは、既存の業務用ゲーム機に後付けすることが可能で、現金決済や電子マネーとの併用ができるシステムもあるので、設備投資の負担を抑えることが可能です。
ユーザー側、施設側の双方にメリット
アミューズメント施設側にとっても、キャッシュレス決済機能の搭載はメリットが多いと言えます。コイン式のアーケードゲームでたくさん遊んでもらうためには、ゲームセンター内に両替機を設置しておくことが必要です。両替機については、常に100円玉が充填されているようにメンテナンスすることも欠かせません。さらに、キャッシュレス対応を搭載することで、売上金、おつりの管理などのレジ締め業務やヒューマンリソースの削減が可能になります。POS連動システムの導入などによって、施設売上げ管理体制を強化することもできます。
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